~Bright Destiny~
あらすじ程、真面目なお話じゃないです。
初めはそこそこ、真面目に書くつもりだったんですが…中々思うように行きませんね。
改めまして処女作です。可愛がって下さい。
ブックマーク登録者や評価が増えるとやる気が出ます。どうか設定、宜しくお願いします。
熱い
熱い熱い熱い…
そう思い、俺は苦痛にその身をよじる。その原因は、俺の周りに渦巻く炎が原因だ。
「ーっ!」
熱さにその身をよじっていると、俺に気付いたらしき三m近くある「鬼」が近づいてきた。そいつは周りの炎を難なく超え、どんどん近づいてくる。
だが俺は先ほどのトラップのせいで、大けがを負ってしまい動けない。
「だ…だれ…か…」
俺は声を出そうにもかすれかすれの声しか出ない。
くそっ…
こんなんじゃ、助けを呼ぼうにも誰にも届かない…
(あれだけ特訓したのに、こんなところで…)(くそっ…先走るんじゃなかった…)(不意打ちさえ受けなければ…)(キルソの奴…遅ぇ…)
俺の中に様々な思いが巡る。そうした感情に俺は顔を歪める…
もう、俺の倒れるそばまで来た「鬼」は俺の表情を見て、嘲笑うかのように笑った。そして持っていた長剣を振りかぶり、そのまま俺の肩から下にめがけて振り下ろす…
「くっ…」
ぐちゃぁ…
「鬼」が見下ろす先には、見るも無残なライオットの死体があった。いたる所が炎のせいで焼けただれ、右肩から鳩尾にかけて裂けている。
「鬼」はライオットの死を確認すると後ろを向いて、去って行った。
完全にライオットは死んだ。
誰もがそう思うところに、長剣の峰だけを持った銀髪銀眼の少女が現れた。少女はライオットを見るや否や、無言で持っていた長剣でライオットの屍めがけて振り下した。
「ダボォー!!殺す気かぁ~!ボケェー!」
「貴様が…不死の呪いを持つ貴様がこんなので死ぬかぁ!今去って行った奴が可哀そうだ思い、とどめを刺そうと…」
「そんな意味の分からん理由で殺すなぁ!」
俺を殺しかけた少女に対し、俺は盛大なツッコミを入れた
そう、俺は不死の能力者。粉々にされても死なない。死ねない。
この世界には生まれつき特異な能力を持つ者がごく稀に生まれる。世間では、「呪い」や「加護」などといった様々な呼ばれ方をしている。
そして、俺の眼前にいる少女は俺の剣 キルソ。
「こんな風になるんだったら、あんな事、受けるんじゃなかった…」
俺はまだふさがっていない右肩を左手で体にくっつけながらつぶやいた。
「まぁ、揉め事の最前線に行けという依頼を良くも考えずに即答した貴様が悪い」
「そっすか…」
いやね、死なないんだからハイリスクハイリターンな任務の方が効率もいいし、勲章やお金といったものまで色々と多くくれるしね~
ってか冷たいなぁ~キルソは。八寒地獄じゃねぇんだぞ、ここは。
ここは地獄の中でも、大焦熱地獄。八大地獄のうちの第7の地獄。
その名の通り、あっつ~い地獄。(いたる所燃えてるし…)
「ってか、こんな風にトラップがあるなんて聞いてねぇぞ」
「キルソは聞いておったぞ」
おや?
「何んで俺に言わなかった?」
「いや、貴様は死なないし、人生の課題の事もあるし、何より言わない方がリアクションが…」
「おい!俺の事なんだと思ってんだぁ!ちゃんと5か月も一緒に居た仲じゃねぇか!」
俺が思いっきり突っ込むと、急に冷静になったキルソが言った。
「前から5人組の奴らが来るぞ」
「殺るか?俺はまだ無理っぽいけど…」
まだまだ、傷口から血がどぱどぱ出てくる。まだ剣を振るうには無理そうだ。
「行って来る」
「行ってらっしゃい」
それだけを言うと、キルソは前方の5人組に向かって斬りかかっていく。
この戦争は、天国vs地獄の戦争だ。
地獄はもともと、天国から堕された者がその身を「鬼」に変えて、現世から来る人たちの世話をしていた。だが、ここ最近変な動きがあると噂され、その調査へ向かった奴らが一向に帰ってこない。そんな事が2回も続いた為、俺らまで、動員されたというわけだ。
もともと仲の悪かった間柄なのに、調査隊が帰ってこない、代表者が出てこないとなると、事態は深刻な状況となる。
そのうえ、案の定、俺らが10人組で調査をしに向かうと、武力行使だ。隊は分断され、ビィルトとも離れてしまい、今はちりじりになっている状況だ。最悪っス…
だが、どうして俺らのような下っ端が、こんな最前線に選ばれたかというと…俺とキルソが天国の首都「アーク・コンチュ」に呼び出されたところから始まる。
この物語は、戦の中で少しずつ心身ともに強くなっていく(?)少年少女の輝く運命。
~Bright Destiny~