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となり街
いつかのような気持ちのよい目覚めだ。1日がとても長く感じられていた。
左手を振り回してみた。元通りの感覚だ。
宿の窓は魔道具のようだ。さぞかし高いのだろうな。素朴なベッドの中で、となりを見れば姉がいた。ぼくは浅いまどろみに襲われて、また寝た。
「スルメ」
姉に抱き起こされた。恥ずかしくて顔が火照った。
「はなせよ」
飛び降りて、黒いコートを羽織った。姉に、白いのを投げ渡す。
現在、ぼくたちは隣の大きな街に来ていた。前世の東京駅だと思う。窓の外は超うるさい。
しばらくは隠れないといけない。
ぼくたちは計画をたてることにした。