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実戦
淡い暖色がゆらゆらとかげろうを作っていた。火に薪をくわえてやると、パチパチと音をたてて、黒く変色してきた。
うっそうとしげる木々は、不気味な影を広げていた。
「はぁ…」
憂うつなことに、この森の出口はまだ見えてこない。姉はまだ、ぐっすりと寝ている。復活はかなりの体力が必要になるのだ。
ガサ
後ろから大きな犬がな飛びかかってきた。なついているのでなく、敵意反応がする。
ヘルハウンドとかいうやつだ。国家ランクで第一級危険していなやつだ。
左腕に噛みつかれた。ぼとりとぼくのそれが地面に落ちた。鮮血が黒く変わっていくようすに痛みを忘れておののいた。
ヘルハウンドは姉を見つけて、低く唸りながら飛びかかった。
「屑が!!!!!」
へルハウンドの生暖かい血が右手にこびりついた。あの屑犬はしばらくギャンギャン騒いだ後、絶命してしまった。あまりにもうるさかったので、遮断をかけていたため、しばらくは何も来ないだろう。
右手だけで姉をおんぶして、ぼくは走って逃げた。




