銃
鉄格子の向こうに出たら切られた。警備魔法というものだ。にび色の刃が脳ミソをかち割った。
「あー、死んだ」
死んだぼくが消えて、それを元に新しく作り出されたぼくが歩いていた。車両内にしては長すぎな廊下を走り出して、こけた。
Beep
う運悪く石に蹴躓いた。なんでこんなところに? と思うが、重量感知魔法が警告音を鳴らした。
「誰だ?!」
激痛が心臓を走る。見ると、後ろから矢尻が飛び出ている。さっきと同じく死んだぼくは消えて、ボウガンを打ってきた青服の兵士の頭上で再生した。
「[操られた電撃]」
雷属性 英雄級汎用 操作類 操られた電撃
持っていた鉄貨幣で電磁石銃を再現してみた。見事にオーバーキルだ。音速ではないがトンデモ音量の騒音がした。のうてんから地面が見えるんじゃないか。
とりあえず、隣の部屋のベッドで寝かしておく。南無南無だ。
ついでに、隣の部屋には宝剣もあった。あとはゲスを探して潰すだけ。というか、あのゲスは部下だけ働かしてなにやってんの? 疑問あり。
しばらく歩いていたら、便所でゲスを見つけた。なんかやけに金ぴかな便所だ。え? 精鋭騎士専用だって? おいしいの? 不味いよね。色々と。
「悪夢は食らう」
ILLEGAL SPELL
「遮断」
いつかの魔法で声を無効かした。
何気なく発動した悪夢の空間で、ゲスの声にならない叫びが響いた。
「神隠し」
ILLEGAL SPELL
異次元へと放り込み、追加の魔法を加える。
「リサイクル」
ILLEGAL SPELL
つかわれた熱量は使われても使われても半永久的にうごきつづける。
お彼岸だ。




