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死ぬほど痛いぞってリアルでは絶対言いたくない

(えーと、そこらへんもあとで説明します。とりあえず味方の声なんで気兼ねなーく会話しちゃってください。それはそれとして……俺たちは相手のドゥーマ細胞を吹き飛ばした後、スケルトンの妨害をかわしつつ、最後の一撃を叩き込まないといけないのか……)

 ユウはアネッサに回答しつつ、次の戦い方を検討する。

(光線技はある程度のタメが必要だからな。そして大技であればあるほど、タメが必要となる。つまり、このように多勢に無勢な状況だと放つまでに妨害を受けやすい)

(うーん……どうしたもんか……)

 エクスの言葉にユウはため息を漏らす。

 そんな二人のやり取りを聞いていたアネッサが不意に口を挟む。

「あらかじめ、その光線……技?とやらのタメをしながら相手に近づくことはできないのか?」

(どうなんです?)

 ユウはエクスにアネッサの問いへの回答を促す。

(難しいな。少なくともドゥーマ細胞に汚染されたあのスケルトンの骨を全て殲滅しようとするほどのエネルギーをためようとするのは、戦闘機動を取りながらでは難しい)

(まじかー……)

 エクスの回答にユウは再びため息を漏らす。

(うーん、何かそこらへんどうにかしてあいつのスケルトン部分もひっくるめてまるごと吹き飛ばすような技ってないんですか?)

 ユウが尋ねると、エクスが一瞬何かを考え込んでいるような空気感を漂わせてから回答する。

(一応……あるにはある)

 今までネガティブな情報ばかりに触れていたため、一度活路が見えたユウのテンションが一気に上がる。

(なんだ!あるんじゃないですか。だったらやりましょうよ!)

「……」

 そんなエクスとユウのやり取りに思うところがあったアネッサは思わず押し黙る。しかし、そんな彼女を他所にユウとエクスの間で話が進んでいく。

(……分かった。では、今から私のいうとおりにしてくれ。アネッサも頼む)

(合点承知!景気良くあいつをぶちのめしてやりましょう!)

「分かった!」

 ユウが勢いよく答えた直後、エクスブレイザーは逆手に持った二本の剣を翼のように構え、腰を深く落として構える。

(いよっしゃああああああああっ!)

 ユウは直後、気合を入れて力を貯める。それに呼応するかのように、アネッサはヴァルクスのコクピット内で両脇にあるレバーを押し倒しながら、静かに気力を漲らせていく。

「……行くぞ」

 直後、エクスブレイザーの全身が輝きだし、紅いオーラのようなものを噴出し始める。そして、エクスブレイザーはさらに膝を曲げ、力を貯め……その刹那――!

 

(参るっ!!)


 弾丸のようにエクスブレイザーが前進する。前方の進路上にいるスケルトンは突進の勢いと全身から噴き出すオーラで弾き飛ばし、左右から妨害しようと迫るスケルトンは両手で持った刃によって勢いよく斬り飛ばしていく。エクスブレイザーの挙動に危険なものを感じ取ったのか、アンデッドドゥーマは再び瘴気の鎌を、横凪に放ってくる。その攻撃はスケルトンさえも巻き込みながらエクスブレイザーを仕留めようと迫りくる。

(甘いっ!)

 ユウがそう叫ぶと、エクスブレイザーは空中に跳びあがり攻撃をかわす。しかし、相手はエクスブレイザーがそうすることを読んでいたのか、時間差で二撃目の鎌が飛んでくる。

(なんのっ!)

 エクスブレイザーは剣を交差させて瘴気の鎌を受け止める。

「行くぞッ!」

 アネッサが叫ぶと同時に操縦席のペダルを勢いよく踏み込む。直後、エクスブレイザー背中にとりついているヴァルクスのパーツからすさまじいエネルギーが放出される。放出されたエネルギーは推進力となり、瘴気の鎌ごとエクスブレイザーを一気に前進させる。

(うおおおおおおおおおおおっ!)

「はあああああああああああっ!」

 アネッサとユウは叫び声をあげる。そしてエクスブレイザーは一気にアンデッドドゥーマめがけて突き進む。アンデッドドゥーマはさらに鎌に込める魔力を高めて押し返そうとするが、エクスブレイザーは止まらない。そのままアンデッドドゥーマの眼前まで迫る。


(獲ったぁ!)

 

 直後、瘴気の鎌は砕け、交差した剣がアンデッドドゥーマに押し当てられる。周囲のスケルトン達はエクスブレイザーにつかみかかり、手にした得物で攻撃を加えようとする。


(今だ。すべてのエネルギーを解放するんだ)

 エクスの言葉をトリガーに、ユウは叫び声をあげ、エクスから教わった技名を叫びながら、ここまで高め続けたエネルギーを一気に解放する。


(いっけええええええええええええええ!エクストリーム……バァァァァストォォォォォッ!!)


 直後、ユウとアネッサは自身の身体の力が一気に抜けて、そのまますさまじいエネルギーの奔流に吹き飛ばされそうになる感覚に包まれる。

(……もしかして……この技って……)

「やはり……」

 ユウは今更ながら、エクスから教わった技がどのような性質の類のものであるのか察する。

 直後、エクスブレイザーからすさまじい勢いの大爆発が巻き起こる。

(特撮系自爆技かよおぉぉぉぉぉぉぉ!!)

「ああああああああああああああああっ!?」

(技名はどこかのガンダ〇の2on2対戦ゲームのシステム名称みたいなんですけどねぇ)

 しかし、自爆技で全身の気力と体力を一気に持っていかれたユウには、そんなルティシアのボケにツッコむ余裕はなかった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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