フロー
フロー。
コレは現代に入ってからの哲学用語で早い話、無心状態の事をいう。解説によってはフローの深いものをゾーンとも呼ぶ。黒子のバスケで目から電気みたいなの出してる状態だね。アレは漫画的な表現だけど、非常にわかりやすいと思う。あとは相撲取りの話でも聞いた事がある。自分を斜め上空から見ているような感覚になるらしい。
フローやゾーンは確かにある。柔道の試合時、二度ほどこの状態に入った事があって、最初は勝ち抜き方式の団体戦。相手チームの選手五人全員ぶん投げた時、無感情になり相手の動きや体重移動が視認出来た。二度目はアンダー20の大会に出場した際の地区大会決勝。その時は更に凄かった。なんて表現すれば伝わるのかわからないけど、最も適切な言葉は「少し先の未来が見えていた」です。
「あ、こう来るな。ならこうしよう」と思考する間すらあり、とても冷静に対処して裏投げで勝った。
そして、ソレと似た感覚は後にも感じた事がある。それは執筆している時の事。○○しい人間讃歌の第三章を書いている時、頭では他のことを考えているのに、まるで指が勝手に動いているかの如く文章を打ち込んでいた。誰も読まないのに何故あれほどの量を書くことが出来たのかというと、ゾーンに入っていたからだと思う。
んで、今執筆してる現代ハンター福音書なんだけど、それほど筆が進まない。あの作品は六年前も、六年寝かせた今も、フローっぽいものに入った事すらない。言うなれば、熱量が低い。たぶんナガス自身、それほど好きではないのだと思う。
ナガスにとってはちょっと難しいんだよね、フィクションベースの話って。怪物とか魔術に説得力を持たせなきゃイケナイとなったら、説明くさい文章ばかりになっちゃう。ナガス自身ですら「説明が読みたいんじゃねぇよ!」って思っちゃうもん。だーめだこりゃって思ってる。
フロウの感覚。ソレを操作できればなぁと思う日々です。