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奴隷というもの

一時期流行った、ゲーム的な世界観の異世界転生小説は、恥ずかしながら一冊も読んだ事はないし、それらを元とした漫画やアニメも目を通した事はないので、偉そうな事は何一つとして言えないのだが、世の中を皮肉り小馬鹿にした動画をあげる悪趣味投稿者(嫌いじゃない)により、海外で日本のアニメが軽く炎上していた事を知った。とはいえ詳しく調べた訳ではなくソースはその動画だけ。なので、誇張して伝えているだけかもしれない。だけど今回はその上で、思った事を書いていこうと思う。ステレオタイプバリバリでいくぜ。

(毎回言ってるけど、あくまで私見です。クソ野郎のイチ感想くらいに捉えてください)


超シンプルに書くと、とあるアニメの主人公が奴隷制度にたいして疑問を呈さず、すんなりと受け入れ、少女を買ったという描写が問題視され、それにより炎上。作者様のツイッターにまでネガキャンしてきた。というものらしい。

「フィクションなんだから」「ファンタジーなんだから」で済ませられる話ではあるのだけれど、フィクションやファンタジーに寛大なのは、表現の自由が超認められている日本だからこそ。他国にはそれぞれの価値観や宗教、文化、歴史があるのだから、日本の作品とはいえ日本基準で「自由」を叫んでも、理解は得られないのかなー……とは思う。

国内だけで消費するなら問題ないとしても、海外に目を向けるなら、それなりの配慮は必要であり、海外勢に日本の文化を理解させ押し付けるのは、ちょっと傲慢が過ぎるかな。つまり「奴隷や人買いというものに嫌悪を抱くお国柄」という事を鑑みず、アニメを配信した人達に責任がある。作者様も執筆時、まさか海外にまで持っていかれるとは思ってなかっただろうしね。政治的思想は一切なく、日本人向けに娯楽作品を提供したに過ぎない。それで責められるのは可哀想というもの。

ストローマン論法になってしまうが、海外の風刺画やブラックジョークには、現実を元とした酷い描写がたくさんある。それらに比べると、日本人的感覚で言えば、フィクションである事に留意できる分、受け入れやすい。


とはいえ。日本人としてやや残念に思うのは「日本人は奴隷を容認している」と認知されること。「そんな事ない」「これはフィクションだ」「登場する人物や団体、事象や事件は架空のもの」という意見も、日本の常識というだけで、海外じゃわからんもんね。国単位で聖書を信じ込んでいた歴史があまりにも長かった事を考えると、現実と創作にたいする考え方が根本的に違うのかも。

この作品が歴史モノで、主人公も歴史上の人物なら問題はなかったのだろうけど、どうやら主人公は現代日本から異世界に転生した人らしいから、そこが誤解を産む原因なのかなと思う。「倫理観は個人に依るので、この主人がたまたま奴隷制度に抵抗が無かっただけ」と説明して、納得してくれる事を願いたい。


思えば、日本って植民地になった事がないからか、奴隷というものをちゃんと理解していないのかも知れない。知った気になって良く考えもせず、表現の自由を振りかざし国民感情や歴史的背景を無視してストーリーの舞台装置として使うのは、確かに浅はかなのかな。日本にも穢多非人はあったけど、奴隷というよりカースト最下位というもので、人間が売買されるようなものではなかった。人買いで遊郭は思いつくけど、奴隷とは規模も役割も違うよね。

(そもそも歴史の教え方が違うのかも。日本では「歴史は暗記科目」とか言われていて、そこに意識の差が産まれるのかな)

奴隷制度に対して「配慮不足」「勉強不足」を指摘されたら「いやいやそんな事ない」とは、ナガスは言えない……日本って原爆を落としてきた国と一番仲良くするくらい、過去に囚われないお国柄だけど、他国はそうじゃないもんね。

世界基準と照らし合わせて考えてみると、日本の価値観は狂っているのかも……なんて思う。国内消費に留まるなら世界基準に合わせる必要は無いけど、世界で戦っていくつもりなら、世界は知らなきゃいけないよね。


ちなみにナガスは、奴隷制度はクソクソあんクソではあるけど、歴史的背景を知る上で非常に興味深い対象たと思ってる。近年で言えば、モアイで有名なあのイース……ナントカ島の話とか、実に面白い。

ただし、本当に歴史的背景があるなら。噛み砕いていうと、そこに至るまでの過程に興味がある。もしこの作品に深い歴史的背景があるなら、フィクションとはいえ興味を持つかな。転生作品を見たことないから評判を聞いただけのステレオタイプバリバリの印象を持っている身としては、なかなか手を出せないでいる。

そこのところ、どうなっているんでしょう?



最後に。

日本ではアンチポリコレの言動が目立つけど、それも表現の自由が保証されているから言える事であって、日本の懐の深さが五臓六腑に染み渡るってもんだね。「ポリコレに配慮した映画制作会社の興行収入が少なかったから失敗作だ」と表現した所で、許される。ナガスも某宗教に対して「個人的に思う悪いところ」をいっぱい言ってるから、自由にもっと感謝せな。


あ、追記。

ナガスは別に、昔の文豪作品のほうが優秀とは言わないです。名作と言われている作品の中にも「ん?」と思ったものはあります。ようは、合うか合わないか。それだけの話。

とはいえ、超名作と呼ばれている文学に歯向かうだけの勇気はないので、感想とかは書きません。怖いから。


更に追記。この事に対する記事読んだ。

えー……原作者さん、奴隷制度は、人権を奪う「悪」ですよ。少なくとも現代ではそういう認識で統一されていますし、侵略行為や、その果てに奴隷売買を行った側は、民族や国単位で今尚、恨まれています。

なぜ「悪と言い切れない」のかの説明は無しですか……残念です。ナガスなら「今日、食べるものすら手に入らない、持たざるモノである最下層の人間が、なんとか生き抜く手段として選択肢にあがるのが「物乞い」や「身売り」であり、それらが最下層の人間に対する救済処置として容認されていた歴史的背景があるので、悪とは言い切れない」くらいは考えつくけど、いくら理屈をコネても悪だわな……さすがに不勉強が過ぎるかと。

日本と他国間にある、感覚の差。そこにもっと目を向けないとイケナイなと、今回の事で学びました。それと「西洋の意識高い人達の事は気にせず」とかいうフォローを送っている人。エコーチェンバーで排他的なその思想は確証バイアスにかかり、ヤバヤバのヤバだからやめような。


あーあと、テレビで技能実習制度うんぬんの報道されてるけど、あれって「どうやったら体よく外国から奴隷をひっぱれるか」を報道してるからね。「奴隷」という単語を使わずに誤魔化してるだけ。

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