ストーリー00 任務前夜
この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
-星々が明瞭に輝きだし、空気も静まってきた、およそ9:30。そんな静寂を営む広い廃れた道路の中央に仄かな光が1つある。そこで2人の影が動いている-
「こんなに長い距離の運転、めちゃくちゃ疲れました…。確かに訓練よりも過酷になるとは言われたけどこれほどとは…。3回も引き返してやっとここまで…。」
1人の若い男性が瓦礫に腰を下ろして愚痴を積もらせている。
「…出発時のあのテンションはどこへ行ってしまったのでしょうか。あの騒がしい勇士さんがこんなにぐったりしてる…。」
同席していた、1人の若い女性がその愚痴に対して、こっそりと呟いた。そこに1組の男女が合流し、4人で輪になるように腰をかけて男性の方が口を開ける。
「勇士、アリス、初めての長旅はどうだっt…お疲れのようだね。」
「8時間の運転なんて誰でもしんどいですって…。」
「お、どうした弱音?」
「そ、そうじゃないです!戦士に弱音はあり得ません!まだまだ頑張れます!」
(やっぱり騒がしかった。)
「ならヨシ!アリスは?」
「…!」
アリスと呼ばれる女性は座ってすぐに解いた緊張を慌てて直した。
「……まだまだやれます!」
「ヨシ!まあ、今日は初仕事良く頑張ったね。」
「なんかもう仕事終わった雰囲気になってるけど、後5分でミーティングだからね、わたる。」
と、先程合流した女性がタブレット型のコンピューターを操作しながら横槍を入れる。
「ああ、そうだったね、あげは。じゃあコーヒー作ってるよ、砂糖は?」
「ふたつ。」
「はーい。」
「俺にもください!」「…私も1つお願いします。」
勇士とアリスも続けてコーヒーを所望した。
「あいよ~。」
わたるは合わせて3人の要求に快諾した。
5分後にわたる、勇士、アリスの左手首にあるデバイスと、あげはのコンピューターに会議アプリの招待通知が鳴った。各々応答で会議に入り、画面には5つの窓が展開される。
『全員揃ったな、点呼はいらないな。』
画面内から現地にいない低い男性の声が送られてくる。
「森谷団長でしたか。」
勇士が驚きを込めて反応する。
『特にこの組織の大型事業だからな。現場の隊員の様子を確認しておく必要があるだろう?』
「まあ…確かに。」
アリスが納得する。
『それはさておき、初日の任務ご苦労だった。』
「まあ 災害前のルートが全く当てにならずに、移動だけで手いっぱいになってしまいましたが。」
あげはが皮肉入りの返答をする。
『仕方がない。本来ルートを開拓してからがベストだが、中枢を最優先で再生させなければならないからな。』
「後のことを考えれば、それが最善になりますからね。」
わたるが今回の計画に肯定する。
『それでは明日の計画をおさらいしておこう。』森谷団長が話題を変える。
『まず、君たちにはそこからユニット01《ゼロワン》、02《ゼロツー》、03《ゼロスリー》を操縦し午前10時以内にエリア13の避難所に向かう。できる限り好印象を稼いで欲しい。次に蝶塚わたる、蝶塚あげはの2名でユニット01で運んだ物資を避難民に提供、甲勇士、高鍬アリスの2名は各々ユニット02、03で災害源の特定とそこへのアクセスを確保だ。そして準備を整え、必ず4人で災害源のAIのシステムを停止。概要は以上だが、何が起こるか分からないため、常に万全で望んでもらいたい。』
「了解。」 「りょうかい。」 「了解!」 「…了解!」
4人が任務の確認を済ませる。
『それでは明日に備え、今夜は早めに寝るように。救援部隊”switch”、検討を祈る。それでは解散。』
これで通話は終了した。何というか、すごくあっさりと。画面から目を離し、わたる、あげは、勇士、アリスの4人がお互いを見つめあって勇士が切り出した。
「なんか最後、親みたいでしたね。」
「優しかったです…。」
「びっくりした。」
「会話のギャップがすごいね。」
少し奇妙な間を置いて、
「まあ、明日は今日よりハードな任務になるのは間違いない、しっかり寝るとしよう。」
「そうですね。明日がこの任務の大本命ですし!」
「…任務、必ず成功させましょう…!」
「そうね、後、ユニットの整備はしといてね。じゃ、おやすみ~。」
「おやすみなさい!」 「おやすみなさい。」 「おやすみ。」
意気込みと就寝の挨拶を交わし、各々自分のユニットに戻り睡眠を取ることにした。
路線的には、と○さつの戦隊に遠征に向かわせる感じを予定しています。二次創作にはならないですよね(不安)?
至らない点につきましてはご了承ください。