政治家たちが一番嫌がる事をしてやりませんか?
いよいよ、衆議院選挙が近づいてきました。
しかし、正直、選挙に行くのは面倒ですよね。
どうせ、選挙に行っても、何も変わらない。
誰に入れていいかわからないし、考えるのも面倒くさい。
誰がなってもどうせ同じ。
そんな、政治に全く関心のない方でも、こんな事を聞いたことくらいはあるのではないでしょうか。
『日本の政治は年寄り優遇で、若者はないがしろにされている』
『特定の業界や団体だけ優遇されている』
──当たり前です。
なぜなら、その方が選挙で勝てるのですから。
ほとんどの政治家にとって最も大事なのは『次の選挙で勝てるかどうか』です。
しょせん政治家なんて、選挙で負ければ『ただの人』ですから。
投票に行くかどうかもわからない若年層に媚びるよりは、投票率の高い年寄りや、確実に組織票をまとめてくれる団体が喜ぶ政策をやった方が、確実に選挙で勝てるのですから。
だから、政治家は若年層をないがしろにしてでも、票をくれる人のためだけの政治を推進するのです。
はっきり言います。
冒頭に挙げたような、今の政治の不公平さ──その諸悪の根源は『若年層の有効投票率の低さ』です。
かつて、失言が得意技のあの某元総理が、講演で『無党派層の皆さんには選挙当日には寝ていていただいた方が──』などと発言して大炎上した事があります。
でも、おそらくこれが、多くの政治家の偽らざる本音だと思います。
無党派層の投票が増える──それはすなわち、自分たちのコントロールの及ばない票が増えてしまう、という事なのですから。
だからこそ政府は、ネット投票などの投票率が上がってしまいそうな政策を本気でやろうとしてこなかったのです。
選挙に行こうとしない皆さん。
確かに、選挙に行く行かないは個人の自由です。でも、あなたが選挙に行かない事は、組織票頼みの選挙をする政治家たちの思うつぼなのです。
『若年層の有効投票率が上がる』──これこそが、政治家たちが最も恐れ、嫌がることなのですから。
もし若年層の有効投票率が大幅に上がれば、一体どういう事になるか──。
まず、与党には相当なプレッシャーをかける事になります。
なにしろ、確実な支持層と違って、無党派層は自分たちの行いによっては、次の選挙で一斉に牙を剥くことだってあるわけですからね。
特に、今の与党幹部たちは、あの政権交代で辛酸を舐めた記憶が鮮明な方々ですから。
(あの政権交代の是非については、本エッセイではあえて何も申し上げません)
当然、若年層をないがしろにしたような政策は採りにくくなるはずです。
また、野党にとっても相当なプレッシャーになるでしょう。
例え今回の選挙で勝ったにせよ負けたにせよ、無党派層が自分たちの行動を常に注視している、というのはかなり重いはずです。
今回、政権交代が成らなかった場合でも、次の選挙の事を考えれば、与党の批判ばかりではなく、与党以上に有効な政策を立案しなければならないと思うはずです。
──相も変わらず批判しかしないような党は、まあ、次の選挙で消えていくでしょうしね。
今の政治に不満を持っている皆さん。
政治を変えたいのなら、政治家たちの性根を叩き直してやりたいなら、今の政治家たちが一番恐れ、嫌がる事をしましょう。
『有効投票率を上げる』──これ以外に政治を良くする方法はありません。
もちろん、誰に投票するかは皆さんの自由です。
そこに口を挟むつもりはありません。
真剣に吟味するのが一番いいのですが、消去法で決めるも良し──。ぶっちゃけ、何となくこの人に、でもいいのです。
ただし、あくまでも有効票を投ずることが肝要です。
たまに、『白票を投じるのも立派な意思表示だ』などと論ずる人がいます。
──まっかな嘘です。
白票は、投票を棄権するのも同じことです。
政治家は白票の数など、全く気にも留めていません。
白票を投じるのは、自分が意思表示をした気になるだけの、ただの無意味な自己満足でしかありません。
──異論のある方は、では、白票が多かったことを理由に政治の方向性が変わった実例を一つでいいから上げてみて下さい。
ないでしょう?
せっかく投票所に足を運ぶのです。
無効票を入れるなどの不毛な事をするより、有効票を入れて、せいぜい政治家たちにプレッシャーをかけてやりましょう。
もし、いつもは投票率40~50%なのに、投票率が突然70%、80%になったとしたら──。
賭けてもいいです。勝った側も負けた側も同様に、相当に悲壮な顔で会見に臨む事でしょう。
──いつの日かそんな光景を見られることを望みつつ、本稿はこの辺で。