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悲しみの事実

「ねぇバイオレットちゃん、どうして貴女はここに居るの?」

『本当は家でお留守番してなさいってお父さんに言われたのでも、その日一緒にお出掛けする約束だったのに急にお父さんがお仕事になって…私お父さんに内緒でこの船について来たのここで隠れてお父さんに心配させて後で驚かせてやろうと思ったんだけど、急に船が揺れて大きな荷物が私の上に落ちて来て』

そう言ってバイオレットちゃんが指をさした方を見ると……


「あぁ、なんて事なの……痛かったよね苦しかったよね」

『お姉さん泣かないで、もうバイオレット痛くないから泣かないで。』

「お父さんは、気が付いてないの?」

『お父さんの声は聞こえたのでも、ここは船の一番下で荷物ばっかりで私に誰も気が付いてくれないの』


「ずっとここで一人で居たのね。寂しかったね、お姉さんきっとお父さんを連れてくるからね待っててね」

『うん、ありがとうお姉さん』

私はバイオレットちゃんを抱きしめて何度も何度も頭を撫でながら泣いていた


********** ********** ********** **********


気は急くけれど一向にあかりは見つからない あかりが元の世界に戻った訳では無いとわかっただけでも今は少し落ち着いた けれども危害を加えられているのではないかと思うと居てもたっても居られない。

なぜ、あかりばかりが……一体誰が……


その時メアリーが

「もしかしたらアリスさんが?」

「アリス?あの、アリスか?」

「え?兄さんアリスさんを知ってるの?」

「え?あ、いや、あかりから聞いたんだ」

「そうなんだ、あの人なら何かやりそうな気がするんだよね。少しおかしい人なんだもの」


[確かに彼女ならやりそうだ。男と女2人でと老女は言っていたし誰かに頼んでなら出来そうだ]

「なぁメアリー、アリスさんの家は知ってるか?」

「兄さんごめん、知らないのよ……聞いておけば良かった。」

「それじゃあ、カレンさんの家はどうだ?知ってるか?」

「あ!そうよねカレンさんの従姉妹って言ってたもの、カレンさん家ならわかるわ!」

「よし、警部!心当たりが有るんです一緒に来て頂けますか?」

「おぉ!本当ですか?是非」

俺と警部達は急いでメアリーが教えてくれたカレンさんの家に向かった。


********** ********** ********** **********


ようやく目が慣れて来て辺りの様子が見える様に成るとここが倉庫で周りを荷物で囲まれているのがわかった

これじゃ確かに音でもしない限り気付いて貰えないよね。

こんな場所でバイオレットちゃんはずっと居たんだ………居た堪れない

とにかくここを出てウイレムと合流したい。そしてバイオレットちゃんのお父さんにここにバイオレットちゃんがいる事を教えなければ!


「もう少しだけここで待っていてくれる?必ずお父さんを連れて戻って来るからね」

『うん、大丈夫待ってるよ。お姉さんも気を付けてね』

(あぁ、なんて優しい子。神様は良い子程手元に置きたがると言うけれどこれは悲しすぎる)


わたしは、ドアを調べてみるけれど外から鍵が掛かってるのかな?開かないや

だとしたら、アリスさんの手伝いをしたのは船員さん?

しかもここの鍵を自由に使える人か。

バイオレットちゃんはここから出られないし、どうしょうかな?

解錠の仕方なんて知らないし何か手は………


「誰か!誰か居ませんか?閉じ込められてしまってるんです」

『お姉さん、声出してもきっと誰も来ないよ明日まで』

「え?どうして?」

『この船は明日出航だから荷物も積み終わってるし船員さん達はきっと船を降りてるよ』

「どうしてわかるの?」

『だってバイオレットのお父さんもいつもそうだよ』

「そっか…参ったなどうしよう。考えたら下手に叫んでアリスさんの仲間に聞こえたら何されるかわからないよね……でも、それがチャンスかも知れない」

わたしは側にあったパイプで周りを思い切り叩きまくった。

誰でもいいから来てと願いながら


********** ********** ********** **********


「ここか?カレンさんの家は」

「そう、ここが、カレンさんの家」 ドンドンドン

「夜分すみません、カレンさん居られますか?すみません!」

「もう、どなた?うるさいわよ」

「カレンさんのお宅でしょうか?私は憲兵所警部のルドルフと申します夜分遅くにすみませんな」

「え?憲兵所?私何かしました?それとも主人が?」


「あぁ、いやいや違います実はポラリス洋品店のあかりさんが誘拐されましてね今捜索中なのですが、どうやらカレンさんの従姉妹のアリスさんが絡んでいるらしいと情報が入りましてねまさかとは思うのですが話が来た以上確かめないといけませんので、アリスさんの家の住所を教えて下さいませんかね?」

「あ、あ、あの子、とうとうやっちゃったのね…この所何処かおかしくて散々病院に行こうって言ってたのに……」

「まぁ、そうと決まった訳では有りませんので。取り敢えず急いで居ります住所を教えて下さい」

「あぁ、はい少しお待ちください直ぐに」


そう言って住所を書いた紙を渡してくれた。

「急ぎましょう、胸騒ぎがして仕方ないんです。あかりが心配で」

「そうですな、シードリーに港の捜索はさせておりますがこちらも急ぎましょう」

俺たちは地図に書かれた家を探して夜の道を走り出した。

あかり、あかり、無事で居てくれ。必ず見つけてみせるから……


やっと辿り着いた家に明かりが灯っていない。留守か?

ドンドンドン ドンドンドン

「ちきしょう!どこに行ったんだ」

「兄さん落ち着いて」そう言ってメアリーが少し下がり家を見つめる

「ねぇ兄さん、人居るんじゃない?あそこ!」そう言って指を指す

「どれ?おぉ確かにボンヤリとですが人影が動きましたな。おい!裏に回り調べてこい」

「ハッ!」しばらくすると裏から


「所長!警部所長!裏から逃げようとした女を捕まえました!」

「何!よくやった」

急いで行ってみると「兄さん間違いないこの人がアリスさんよ」

「アリス殿、あかり殿の居場所を教えてもらいますぞ」

「何を?知らない、私は何も知らない」

「ほう、では何故裏から逃げ出そうと成されたのか?」

「そ、それは夜中に大勢で押しかけて来たから怖くなって逃げたのよ」

「つまり、逃げないといけない様な事をしたのでしょうか?」

「あぁ!まどろっこしい、おい!あかりをどこに隠した!彼女は俺の大事な人だ。もし何か有ったら只じゃ済ませないからな」

「兄さん落ち着いてったら」


「わたしにとってキレフがそうだったのよ。なのにあの女が私のキレフを奪った!もう二度とキレフに会わせないわ。彼は私のものなのよ」

「いいか、よく聞け!あかりとキレフは何でもない彼女は俺を裏切るはずは無いんだ。断言して言う!俺は彼女を彼女は俺を唯一と認め合ってるんだ。たとえ君だろうがキレフだろうが俺たち2人の中を裂くことは絶対に出来ないんだよ!」

「兄さん………恥ずかしいから」


「キ、キレフだってそう言ってくれるわ。私こそが全てだって」

「ほう?いつ言われた?いつキレフさんがそう言ったんだ?こんな犯罪を犯す人を愛せるのか?普通はこうなる前に君を止めるだろう?愛してる人に犯罪を犯させて喜ぶ男がいるとしたらそれは、その女を食い物にする様な奴さ!君の愛した男はそんな奴なのか?」

「ち、違う。キレフは優しい人よ…そうよ優しい……あ、あぁうぁぁぁ」

「頼む、あかりの居る場所を教えてくれ彼女を失いたく無いんだ。そう考えただけで気がおかしく成りそうなんだ。頼むから…」

「兄さん……」

[あかり、俺君を失ったらどうなるのかな?]







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