嘘つき ウイレム
[ ]←はウイレムの声 { }←は吹き出しです。
「ねぇ、もっとちゃんと状況教えてよ、話が合わない事とかあったら私が今度は疑われちゃうんじゃ無いの?」
[そ、そか、えっとじゃあさ君は俺の恋人で一緒に馬車に乗ってたってのはどう?]
「え〜〜わたし、貴方の事よく知らないし絶対にばれるよ、それに……タイプじゃないもの」
[いや、この際タイプとか置いておいてよ……死んでてもさ心は傷つくから ほら、俺は他の人には見えないし横でフォローするからさ、えっと内容はねそうだな、コゼット村からこの町ホスタルトへ帰る途中襲われたんだけど、君は俺の恋人で あ!俺の名前はウイレムよろしく、でね君を父さん達に紹介する為に同乗してたって事でどうかな?]
「え?私はコゼット村出身って事?無理よ私そんな村の事何も知らないもの!」
[ん〜じゃあさ、あ!そだ記憶が無くてフラフラしてたのを俺が助けたって事で それとも……そうだな、君何か出来ない?]
「出来るのは漫画を描く位で。」 [マンガ?それってどんな事?]
「こんな風に絵を描いて横とかに言葉書いて……」と言いながらそばにあった小枝を拾い地面に絵を描いて見た。
[ワァオ 凄いじゃん上手い絵だね、まるで本物みたいだ …… いける!うん、いけるよ!画家で通るよ]
「はぁ?無理でしょ私美術学校出た訳でも無いのよ!」
[びじゅじゅがこ?えっとそれが何かわわからないけど大丈夫!俺の家族結構能天気だからそれに、本当にサッと描いただけなのにこんなに上手い絵だし簡単に騙せるって]
(自分の家族をそこまで言うの?)
「家族は騙せても、役人さんは騙せないんじゃ………それに画家って設定必要なの?」
[その時はその時だよ!それに画家って偉そうじゃん 記憶喪失って設定より画家志望とかで放浪中だったって方が良くないか?]
「え〜〜〜いい加減過ぎるよ!」
ガタン 「あの?店先で何してるの?家に用ですか?」 「ひっ!」
「用が無いのなら済みませんが邪魔なんですけれども。{さっきから店の前で何してるの?急に座り込んだと思ったら小枝で遊び出したりしてこの子お客様って感じじゃないよね?}」
ドアを開けウイレムとよく似た顔立ちで藍色の髪に二重で水色の大きな瞳をした可愛らしい少女が怪訝そうに私をみていた。
私の腕を突っつくウイレム「あ、あの私 ウイレムの彼女です?」
「え〜!うっそ〜あの兄さんに彼女が居たのぉ!お父さん!お父さん!大変」
「なんだ、店先で騒々しいぞ、メアリー!{まったくいつになったらお淑やかになるんだ}」
そう言いながら今度は奥からスキンヘッドで口髭を生やしたおじさんが出てきた。
ウイレムも、メアリーもお母さん似なのかな?あ!でもウイレムの眼の色はお父さんに似てる。
「だ、だってこの人が兄さんの彼女だって!」
「な、な〜に〜! 嘘だろ!あいつに彼女だとぉ〜!」
(何だかさっきから酷い言われようだけど大丈夫なのこれ!)
[確かに……酷いよな………]
(!!!えっチョット!聞こえてるの?私、頭の中で考えてるだけなのに?!)
[うん、何故か話せるね!]
(はぁ?待って待って、それ凄く困るんだけど!下手に何も考えられないじゃない)
「あの!兄はまだ出掛けてて帰って無いんですけど良かったら奥にどうぞ。{あの兄さんに彼女ねぇ…異国の人かなこの国の人の顔立ちと違うね?}」
[焦った感じで 俺が死んだ事伝えて!]
(あ〜もう、どう成っても知ら無い死刑に成ったらウイレム貴方を恨むからね!)
「あの、信じて貰えるか解らないんだけど」
「うんうん大丈夫、貴女良い人そうだし兄さんが帰ってきたらちゃんと紹介して貰うから取り敢えず入ってよ!店先だとなんだし」
(人の話を聞かないなんて似た者兄妹ね……。) [済まない……。]
「あの、そうじゃなくてウイレムが盗賊に襲われてお腹をナイフで刺されて!」って
(あれ?ウイレム貴方のお腹に刺さってたナイフが無くなってるよ!)
[え?あ!本当だきえてる]
「え?は?も〜脅かしっこ無しですよ!さっきの言い方は悪かったと思うわ、でも信じて無い訳じゃ無いからね」
「そうだよ!まぁ中に入って、お茶でも入れるからゆっくり話でも聞かせてくれ。」
「そうじゃないんです!本当にウイレムが刺されてメアリーさんに伝えてくれって。このままだとアランさんが犯人にされちゃうからって」
「どう言う事?何でアランが犯人に成るの?」
「それは、ウイレムのお腹に刺さったナイフがアランさんの物だから。」
「貴女がどうしてそんな事を知ってるの?刺さったナイフがアランの物だなんて、どうして?!」
(だよねー、どうするのよ、なんて言えば良いのよウイレムの馬鹿私を巻き込んで!)
[大丈夫今考えてたから、俺の言う通りに言って!]私はウイレムの言ったように答えた。
「私は画家志望で旅をしていたのですが先月コゼット村に立ち寄った時にウイレムと出逢いました何回かウイレムが村に来るたびに逢うようになって、好きだと言ってくれて付き合うように成りました (言ってて恥ずかしいよ) [気にしない気にしない!]
それで今回用事が有って村に来た帰りに私をお父さんと妹のメアリーさんに紹介すると言ってくれて一緒にコゼット村からこの町行きの馬車に同乗しました。でも、途中で盗賊に襲われて…ウイレムが咄嗟に私を椅子の下に隠してくれました。その時に犯人の顔、話の内容を知ったんです
ウイレムは息を引き取る時アランさんを助けて欲しいと私に言いました、だから急いで来たんです。」
(随分良い人ぶってない?しかもほぼ棒読に成っちゃったよ大丈夫かなウイレム)
[ほら、最後だし良い人にさせてよ、棒読みだって気付かないさ]
「そんな、嘘よ……」(うん、ごめんね嘘です)
「そんな馬鹿な、あいつが死んだだって?」(すみません、隣に居ますけど)
「貴女が嘘を付いてるとは思いたく無いけれど、じゃ、じゃあ兄さんの彼女だって信じさせてよ……」
「どうすれば良いの?」
「兄さんの事で知ってる事何か言って!」
私は横目でウイレムを見ながら特徴を話していった。
「えっと、髪は肩位の長さで藍色、目は薄紫色で二重、下唇横に小さなホクロえとあと、えっと[メアリーのお尻にホクロが有る]メアリーさんのお尻にホクロが有るって」
「は!何で知ってるの!ってかあの馬鹿兄貴彼女に何喋ってんのよ信じられない!」
(ふふふ馬鹿だって、良かったねわかってもらえて)
[その、馬鹿兄貴の妹だぞ、わかってんのか?]
「ウイレムに聞いたから?です。」
「父さん、この人」
「あぁそうだな 信じるよ。大変だったろう?知らせに来てくれてありがとう。取り敢えず、さぁ 中に入ってくれ」
(え〜決め手は娘のお尻のホクロなのぉ、兄さんの特徴意味ないじゃん)
[ひど過ぎる、俺の扱い……]
家に入ってドアを閉めたその時 バァン!!また勢いよくドアが開けられ男の人達が入って来た。
「こちらは、ウイレムさんの御宅で間違いないか?」
「はい、そうですが」
「御宅のご子息が道の途中で盗賊に襲われ、残念ながらご子息は刺され亡くなられていました。申し訳無いが確認の為同行願えますか?」
「お父さん!{あぁ、兄さん…}」
「あぁ………行ってくる。メアリー後は頼むぞ 戸締りはしっかりしとけよ{やはり本当だったのかウイレム…}」
そう言ってウイレムのお父さんは警備兵達と一緒に出て行った。
(ねぇ、ウイレム私これからどうしたら良いの?)
[犯人を特定してアランを助けてくれよ、頼れるのは あかり……君しか居ないんだ]
もう!どうなるの わたし大丈夫なの?