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19/25

男爵家

あれから1週間ほど経ちマーガレット様からの招待状が届いた


それとは別に《ザック様からはお受けしますと返事が来てます。当日あかりさんが来てくれるのを楽しみに待ってますよ》とメモ書きが挟んであった。

気合を入れて頭の中でシュミレーションを繰り返す うん、やってみせるから。

ザックさんの気が引けそうな絵を描く それを手にお茶会へ行こう

誤算は付き物だからいろんな想定も考えておかないとだよね。


そして当日、メアリーのお勧めの衣装に渾身のメイク、手にはこれまた渾身の絵

「よし!やり切ってみせる」

今日ウイレムは午後からリハビリだと言ってたから来る事は無いはず。

あまりこれからする事をウイレムに見られたくも知られたくも無いから。


ローバート家からのお迎えが来て私は馬車に乗り込みメアリーに「行ってくるね」と手を振りポラリス洋品店を後にした。


伯爵邸に着くとセバスさんが「お待ちしておりました あかり様どうぞこちらへ」と案内してくれたその先には………


「な、何これ………まるで場違いな私 余りに煌びやかな人達。」

立ち尽くしていると私の側に笑顔で来るマーガレット様が。


「ね、最初はビックリするわよね。わたしも始めはそうだったわでも、安心して私が付いてるし今日声を掛けた方々はアーデンハイム男爵様嫡子のザック様以外は皆貴女の味方よ。と言うかナーゼ様の味方ばかり事の真相もご存知な方々だから。あかりさんのやりたい様にね」

と耳打ちし、少し悪い笑顔で私をみてから皆様の方へ私を連れて行く


「お待たせしてごめんなさいね、この方がフルナーゼ様のご友人で今話題の絵描きとして有名なあかり様よ、今日は無理を承知で来て頂きましたの皆様もお逢いしたいと言っておいででしたので。」

「すみません、今日は招待頂けて光栄です。今マーガレット様からご紹介戴いた あかり と申します。この様な場は初めてなので粗相があってもお許しください。」


「まぁ、あかりさんお茶会ですもの気楽に楽しんで下さいませね」

「はい、楽しませて頂きますマーガレット様」

その後しばらく紹介合戦が続き 後はご自由にと言う事でフゥと一息ついていたら、来ましたよ本日お目当のザック様が。


「初めましてお嬢さん、ザック・アーデンハイムと申します。少しお話し宜しいでしょうか?」とね

「はい、初めまして あかりと言います。」


「あかりさんは、とても素晴らしい絵をお描きになるとか。フルナーゼ王女様ともご友人関係で親交が深いとも聞き及んでいます…とても、素晴らしい方なのですね{何とかお近付きになりたいもし上手くいけばそれで俺も…}」

(どうやら引っ掛かりそうだね、もう一押しかな?)


「今日丁度マーガレット様にお礼にと持って来た絵が有ります。マーガレット様宜しければ受け取って頂けますか?」

私は初めて来たときに見たこの美しいローバート邸の庭を思い出しながら描いた絵をマーガレット様にわたした。


「まぁ!嬉しいですわ。何て綺麗で美しい あら、これはこの庭ですのね。あかり様の絵は中々手に入らないと他の方々の間でも噂されてますのよ 描いて頂けるのはあかり様が気に入った方のみだとも{如何でしょうこれだけ煽ればザック様もあかりさんに飛びつくかしら。でも、あぁなんて美しい絵でしょう}」

(!凄いマーガレット様あざといです、お見事です)

伺うようにザック様を見てみれば おぉ、目がキラキラしてるよ。


確かにハンサムだとは思うけど、何だろう心の醜さが端端に出てる様な勿体無い人だなと思う

(どれどれ、どんな言葉で私の気を引こうとするのかな?お手並み拝見といきましょうか。ただし、簡単には載ってあげないからね)


「そうなんですね、それは素晴らしい方と出会うきっかけを下さったマーガレット様には感謝しないといけませんね{美しく素晴らしい絵だ是非とも欲しい。その為にはまずは}」

「えぇ、マーガレット様はこんな私とも友人だと言って下さいました素敵な方なんです。」(成る程、言う所の将を射んと欲すればまず馬を射よなのね)


「その内私も友人に成って頂ける日が訪れると良いのですが{遠回りだがこう言う奥手ぽい女性は匂わすところから攻めるのが得策だな}」

「そうですね、私は臆病ですし人見知りなので中々心を開くのにも時間が掛かると思います」


「そうなのですか、出来れば私の事も信じて頂ける様に努力しないといけませんね{そんなに時間を掛けてる暇は無いんだよ俺の顔は綺麗だろ?欲しいだろ?}」

「誠実な方であれば努力は必要無いとおもいますよ(ニコ)」(オェ何このナルシシストやばいわ嫌悪が顔に出ちゃいそう隠さなくちゃ)


「ならば直ぐにでもなれる様誠実に有りましょう。もし良ければ明日にでもその機会を私に頂けませんか?{取り敢えず今の所はサーシャ達で間に合うがやはりパトロンは欲しいなこの女なら良いパトロンになりそうだ}」

「そうですね、時間が合えばお誘いください」(んがー、吐き気する!何この男この世界に来て初めて嫌悪したよ!顔だけで騙される人も悪いけどこの男許せん!)


私はザックさんに(様は辞めた!さんもつけたく無いけど)その場を離れる挨拶をしマーガレット様の方へ向かうが、私を見てマーガレット様が駆け寄り

「大丈夫なの?顔色が悪いわ。何か言われたの?」

「直接言われた訳では無いのですけど顔に出てると言うか考えてることが何となくわかってしまったと言うか」

「あかりさんは、感が鋭い方なのね。確かに彼の方で良い噂は余り聞きませんもの……でも、大丈夫なの?」


「はい、大丈夫です。私はどうしても許せなくなっただけなので」

「女性を食い物にする殿方は沢山居るけれどこんな時私の旦那様は素敵な方で良かったとしみじみ思うわ{あぁ、早く逢いたいわクリフ}」

「ですね、私も彼が良い人で良かったです」(甘ーい!マーガレット様幸せそうで良かった!あー癒された!)

その後は皆様方と談笑してお茶会は終了した。



そして2日目の昼奴が馬車に乗ってやって来た………。

今回メアリーはキレフさんの時の様に威嚇する事もなかったと言うことはザックさんは私に対してそう言う気は見せていないと言う事だよね。なんせ、メアリーのそういう方面の感は鋭いのだから。


彼の興味は私の描く絵と、お金であって女性はあくまでもアクセサリーみたいな物、飽きたらポイらしいもの。

ただし、かなりのナルシシストぽいから注意は必要かな?


余り興味ない振りを出し過ぎても、顔を貶す事を言うのもタブーだと思う

実に面倒くさいやーつー 早く片を付けてウイレムで癒されたいな。

そのウイレムを取り戻す為の戦いだもの負ける訳にはいかないんだから気を引き締めていくぞぉ!


アーデンハイム邸はマーガレット様の屋敷の半分くらいかな?

綺麗なレンガ造りの建物で、蔦が絡まり風情がある。なのに、時期当主がアレか………。


執事さんが出迎えてくれて中に通されるとホールの中央に大き目の階段があり上で左右に分かれてる。

「赤い絨毯が敷かれ美しい造りになっている なのに、時期当主がアレか…………。重ね重ね残念だよ。」

『済まない、そなたの申す通りだ』

(!!失礼しました心の声が漏れてましたね)

『そなたもしや、ウイレム殿が申していたお嬢さんかな?』

(と言うことは貴方は三代前の当主様?)

『成る程に面白い方だ、ウイレム殿がそれは楽しそうに話されるので一度はお逢いしたいと思っておった』


(ウイレムが何を話したのか大体の想像はつきますけど、すみません私男爵様に喧嘩を売る様なことになりそうです)

『ふっ、何構わんよ。あれが当主になれば領民がどれ程辛い目に合うか想像できると言うものだ。ともあれ私の名はベルガーだよ。………。アレの父親は堅物でな、息子を厳しく躾け過ぎ愛情の与え方を間違ってしまった全ては領民の為それは素晴らしい事だ だがな、実の子もまともに愛せないそしてその子は領民を愛せないそんな者に領民がついてくるはずもない。そしてそんな子供を愛せない息子にしてしまったのも私だ。情け無い話だな』

(そんな、誰も完璧に思った通りの生き方が出来る人など居ないと思います。私だって後悔する事ばかりで いつも、あぁすれば良かったこうすれば良かったって後悔ばかりです)

『お嬢さんは優しい。アレがまともだったら是非とも嫁にと思うのだがね』


(わたしでは、領主の妻は荷が重いです。それにもう、運命の人に出逢ってしまいましたから)

『ウイレム殿が羨ましいですな、私が言うのも何ですがアレは悪知恵が働く私はなるべく貴方の助けをしたいが気をつけられよ』

(はい、有難うございます)







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