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しあわせな王女

神様なのか何なのかわからないけれど、今は感謝してます

最初は何で私がって思ったし、ただ帰りたくて……

でも今は帰りたくない、この世界で出会った人達と同じ様にこの世界で終われるのを望んでる

そう思える様に成ったのも彼のお陰かな?


ウイレムは日本人の私としては恥ずかしい言葉も行動も平気でするけどそのどれも嬉しいと思えるんだからかなり重症かも知れない


あれから二人で病院の庭のベンチに座り男爵家で見聞きした事をウイレムから聞いている

さりげなくだけどウイレムは私の肩をそっと抱き寄せる様にしながら顔は前をむいてるけど耳が赤いからきっと恥ずかしいんだよね?


彼の話によるとサーシャさんの彼と言われる男爵家の長男の名前はザックさんと言う社交界では紳士で通って居るが………

裏では女性関係も結構派手で新しい物、美しい物好き。お金遣いも派手、男爵家は当主の知らないところで火の車状態に成ってるらしい。


そしてそろそろ当主に気付かれそうで彼はヒヤヒヤしてる

(成る程ね、そこら辺が鍵かな?)

[だろう?俺もそんな気がするんだよね。あの屋敷にいる三代前の当主の霊が言うにはさ女達に今度は逆に貢がせてるぽいんだよね]

(え?ウイレム、霊同士でお話しして大丈夫なの?霊とは言え無断侵入でしょ?)


[チュッ!大丈夫だよ危険な事はしないから]

誰にも見えないから良いけどおデコにキスはもう当たり前の様にして来るのね。


(もしかしたらサーシャさんもそう言う感じで貢がされてるのかな?)

[どうかな?今のサーシャ見てると貢いでると言うより自分から率先して渡す事で他の女性達と張り合ってそうな気がするよ]

(ね、サーシャさんていつも病室で何してるの?)


[ん?……きになる?] (う、気になる……)

[そっか、あ〜俺今すっごく幸せだ〜] (な!何言ってんのよ)

[ん?だってさ好きな彼女に面と向かって嫉妬してますって言ってもらってるようなもんだろ?こんな日が来るなんて思っても見なかったからさ]

(そ、そりゃあさ、好きだもの嫉妬位するし………ウイレムはした事ないかもだけどさ)

[え?俺すっごい嫉妬してたよ、あかりとキレフにさ2日も、違うか1ヶ月も落ち込むくらいにはさ]


(そ、そうなんだ………ねぇ泣いて良い?)

[え?俺何か泣かす様な事言ったか?ごめん、ごめんな 泣くなよあかり]

(違う、嬉しくて泣けて来るの……この頃涙腺崩壊してるみたい)


[あかり、俺の事見て……あのさ、凄く恥ずかしいな……まぁ、あんな出会い方だったけど俺あかりの事愛してるからな、俺は絶対浮気なんてしないからそれは信じて!知り合ってまだ日も浅いし早いかもしれないけど、あかりの気持ちが落ち着いたら俺ちゃんとしたプロポーズするから、その時はハイしか受け付けないからな。覚えて置いて]

(うん、うん、ありがとうウイレム ウゥ〜うぇっ)


[はは、結局泣くのかよ]そう言ってウイレムはそっとわたしを隠す様に抱きしめてくれた まぁ、隠れてないけれど。


しばらく今までの思いを取り戻す様にウイレムと優しい時間を過ごしていたけれど[ウッ]と言う言葉を残して彼は引っ張られる様に消えて行った

慣れないな、目の前から急に消えてしまうその事に未だに心は付いていけない若干だけどトラウマ化してる。


また、サーシャさんの居る病室に戻っちゃったんだね。

私って実はこんなに嫉妬深かったんだなと思い知らされる


仕方ない!今日はこれからナーゼ様に会う約束だし行くとしましょう。


城に向かい、いつもの様にロイドさんに挨拶しナーゼ様を謁見室で待つ


少ししてパタパタと聞き慣れた早足の音がして「お待たせしたわね」と満面の笑顔が向けられる

「ねぇあかり、今日はお願いが有るの」

「?はい、何でしょうか」

「実はね私の絵を描いて欲しいの。前のとは違う全身の立ち姿をお願いしたいのだけど、駄目かしら?」

「いえ、駄目では無いのですけど前回書いた絵はあれで良かったのですか?」

「えぇ勿論よ、父上も母上もとても喜んでいたわ よく似てるわねと仰ってたわよ。だからお願いしたいと思ったの」

「そうなんですね、それなら安心しました。でも、なぜ急に?」


「そうね、あかりになら話しても良いわね。実は隣の国レスペラートの第2王子エレミュール様との婚約が決まったの。でも、お互いに姿を見た事がなくてだから私の絵姿をお送りしようかと思ったの」

「まぁ!それはおめでとう御座います、では頑張って描かないといけないですね。」


「ふふ、頑張らないで いつもの私を描いてくれれば嬉しいわ。私は第1王女だし、下は二人とも女性だからエレミュール様はこちらに王として迎えることに成るけれどレスペラートから帰ってきた者の話ではとても利発でお優しい方との事で私はとても待ち遠しく感じているの」

「そうなのですね、私もとても嬉しいです。まるで自分のことの様で」

「まぁ、あかりも嬉しい事が有ったのでしょう?あかりの想い人が目を覚まされたと聞きましたよ」

「え?どなたに?恥ずかしい!」


「あかり、私の友となってくれた時から御免なさいね貴女のことはずっと調べられているの……嫌よね 友を辞退したいと思われても仕方ないと思うわ」

「そんな事、ナーゼさまとこうして話したり会う事がどれ程今の私にとって大切な時間に成って居るかそれに、次期女王様に近づく者がどんな人か調べられるのは当たり前と言うか………」

「ありがとう、あかり そう言ってもらえてとても気が楽になりました。だから貴方に今何が起こって居るのか私は知っています。あかりと、ウイレムさんに何が起きて居るのかそして あかり、今世間がその事でどんな事になって居るのかも」

「!!!」


「誤解しないでね、私が人々の生活に興味を持ったのはあかりのお陰なのよ。今迄のあかりとの時間の中で町の人たちがどんな風に暮らしてそして生きて居るのか始めて知りたいと思ったしそれは父上も母上も同じなのです。残念な事に今迄の私達皇族は余りにも世を知ろうとしませんでした…でもそれではいけないのだと教えてくれたのは貴女よあかり」


「ナ、ナーゼ様」

「さぞ、情けない人達と思ったでしょうね。でも、少なくとも我が国は貴女のお陰でこれからは変わって行くと……だからこれまで通りに私のお友達としてこれからも逢いにいらしてくれる事を私は望みます」

私は余りの優しい言葉にうつむきただ縦に頭を動かすことしか出来なかった。


嬉しくて、ただただ嬉しくて、この頃泣いてばかりだなと思いながらも涙を止める事が出来なかった。

ナーゼ様が隣にすわり私の背中をそっと優しくトントンと叩いてくれていました私が落ち着くまでずっと

きっとナーゼ様は友を疑う様な事をしてしまったその事を話すまで何度も何度も思い悩んでいてくれたのだと思うと私はこの世界に来れてなんて幸せなのだろうと思わずにはいられなかったの


だからこそ、ナーゼ様にも、もっと幸せになって欲しいと心から願い姿絵を描こうと決めた。

その後ナーゼ様は何かあったら必ず相談して欲しいと貴女は私の大切な友だからそう言って微笑んでくれた。



ナーゼ様には幸せに成って欲しい

だって本当に優しい素敵な王女様なのだから








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