第2章 裏切りと時代 01
「うう…」
何度も体験したことのある感覚。ここはー
「えっ?」
一度見たことのある場所。ただ違うのは、見るからに、「縄文人」とは違う顔付き、そして道具の持ち方だ。縄文土器は重く、片手で持つことはできないのに対しそいつは、片手で軽々と土器のようなものを持っている。
葵は確信した。あいつらは、「縄文人ではない。」と、
辞書で調べる。服装、顔、筋肉のつき方。そして文化。
全て一致する文化があった。それは、
「弥生時代。」
この時代ではまたしても異変が起きていた。
縄文時代に住んでいた「縄文人」と「弥生人」
との争いだ。
言葉もわからないが、葵にはわかったのだった。
タウロスが紙を渡した。
「ハヤク、アイツラヲトメロ」
何故タウロスがそう言ったか、葵は知っている。
歴史の本では、縄文人は弥生人によって、場所を取られる。
そして、弥生時代になる。これが歴史だ。
葵は迷っていた。このままタウロスの言うように、縄文人の味方をすれば、歴史を変えてしまうことになるかもしれない。いやその前に葵一人加わっただけで縄文人が弥生人に勝てるかもわからない。
葵はタウロスからもらった紙を破いた。