第1章 縄文時代編 01
ボヤっとする景色。見覚えのない景色。建物一つない。
「ううっ、なんで俺がこんな目に…」
少しずつ視界が良くなってきた。その目に映ったのは…
「え、とこれは、じょ、縄文時代?」
先住民たちがよくわからない仕草で何かをしていた、が葵にはすぐに、「コミュニケーション」だとわかった。
「なんて話してんだろ、調べてみるか、スマホは…」
当たり前のように圏外、これでは調べられない。
「仕方ない、えっと、持ち物は、お金、スマホ、歴史大辞典、イヤホン、こんなもんか。って、なんで歴史の本が!?てかなんでこんな大きいもん持って最初気づかなかったんだよ、おかしいだろ。」
一人で笑い始める。周りからはへんな服装の上、大きな紙を持っている、下手したら殺しにだってきていいくらいだろう。
「えっと、スマホのカメラで撮っておいたら、歴史にのるかもしれんな!撮ろう撮ろう!」
パシャパシャと写真をとる。みんな驚いて近づいてきて、何かを話しているが、これは葵の勘だが、きっと自分についてのこと、それも、「こいつ、どうする?」のようなことだろうと思った。
「まあ、とりあえず自己紹介でもっと、って言葉が通じないのか…なら、縄文時代の言葉を調べればいいのだ!」
必死に辞典をひく。すると、「ヲシテ文字」というものがあった。
「これだ…」
葵は近くにあった紙に石でヲシテ文字を使ってこう書いた。
「ワタシハコトバガワカラナイノデブンデオシエテクダサイ。」と
村人たちは、その紙を見てこう書いた。
「マアヨクハワカラナイガオマエノナマエヲトリアエズオシエロ」
葵は
「イズミ アオイ」そう書いた。
村人の一人であろう人物、自分よりもおそらく年上で、とても筋肉がついている村人はこう書いた。
「オレノナマエハミノ・タウロス、タウロストヨンデクレ」
ミノタウロス、ギリシャ神話か、続いてタウロスはこう書いた。
「オマエガオレラニトッテワルイソンザイデナケレバコノママ、ナニカアレバ…ソノトキハワカルヨナ?」
おお怖い怖い、そう思いながら、紙には「ワカリマシタ」と書いておいた。
まあこのままなら問題はないだろう…そして逆に、このままなら、高校の事も考えなくていいし、そして何より、いつもより、楽しいし!