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最終話  バックレよう!



「離せ~!? 離さんかぁ~!?」


 見苦しく抵抗するはパネーゼ。レジスタンス一同は冷ややかにではなく、熱い眼差しで王都転覆を陰で操った者を見ている。


「離すわけね~だろ!?」

「お前はもうお終いだ!」

「どんな拷問をかけてやろうか!?」


 いきり立つアドリアの民。脇にはお縄にされたギルディアンの傭兵と、一部パネーゼに味方していた高位の者達が捕らえられていた。


「何とかなったな……」

「あんたの未来を糧にしてね」

「いやぁーーー!?」

「タロさんどうするんですか?」

「……どうもこうも、召還しなければ来ないだろう?」

「……いつでも来れそうな気がしますけど」

「いやぁーーー!?」


(くっそぉ!? 俺だけが辛い目に遭うなんて許せん!)


 全てのストレスをパネーゼにぶつけようと考える。だが既にレジスタンスメンバー達の怒りは最高潮に達している。


「取りあえず新市街、旧市街を引き回しだな」

「そうだなぁ~ 腕の一本くらい折っておくかぁ?」

「棒でまず叩こうぜ!」


 慌てたパネーゼは自らを擁護し始まる。火に油を注ぐ事とは当人は思っていないのだろう。最終的には盛り上がる事になったが、パネーゼが話す度に冷酷とも思える程の静けさが支配する。


「いいか愚民共!? この国には人権というモノがあるんだっ! 私にそのような事をしてはならない!!!」


「「「「「 …… 」」」」」


 スっと冷たい風が吹く。怒りを通り越すとこうなるのだろうか。誰もが言葉を発せられない程に怒りを貯め込んでいたが、エルモアがパネーゼの前に立ち、言い放った。



「貴様が誰かの人権を奪ったその時に、貴様の人権もまた奪われているのだ」



「「「「「 うぉぉぉぉぉーーーーーー!!!!!!! 」」」」」

「そうだ! そうだーーー!!!」

「何が人権だーーー!!!」

「よく言った!!!」


(エルモンがイケメンに……)


 それでも引かないパネーゼには驚くが、負けじと自案を述べていく。


「おい!? 宮殿弁護士はいるか!? 高い金を払ってやってるんだ!!! 役にたたんかぁ!?」

「は、はい。パネーゼ様」


 後ろ手に縄を縛られていた、卑しそうなじじいがいた。俺はそいつの言葉を許可しパネーゼの横に連れてこさせた。


「ぱ、パネーゼ様はヤベーゼ王様の弟であり、じ、実務的に国事に携わっていました。そ、その激務により、心身喪失状態になり、このような事態を起こしてしまったのです」

「そうだぁ! そういう事だ! この国では心神喪失者は罪に問われない! はっはぁ! 馬鹿共めぇ!!!」


「「「「「 …… 」」」」」


 同じように冷たい風が流れる。自然も空気を読むとは流石である。その行いに感謝をしていると、今度はネピアがパネーゼの前に立ち、言い放った。



「法で裁けぬ者を、法で守る道理なし」



「「「「「 うぉぉぉぉぉーーーーーー!!!!!!! 」」」」」

「何が心身喪失だーーー!!!」

「俺たちが裁いてやんよーーー!!!」

「残念だったなぁ!? 法なんてお前を守ってくれねぇぞ!?」


(流石は姉妹。ネピアはイケメンでモレメン)


 パネーゼを押さえていたレジスタンスの一人が、エルモアとネピアの物言いに賛成し同調したスキを狙って、パネーゼは魔法で煙幕を張った。


「馬鹿め! 油断しおったなぁーーーー!!! はっはぁ!!!」


 煙に巻かれている間に魔法を詠唱していたのか、大きな丸太のようなモノを上空へと飛ばし、その上に乗っかり逃げようとした。


「棒だぁーーー!?」

「棒だぞ!?」

「棒に乗って!?」


『ボーダー歴40年のパネーゼ様を舐めるなよっ!!! このまま逃げ延びて……!?』


 直径二メートル程の球状の雲に突っ込んだパネーゼ。球状の雲を突き抜けていった棒は、遙か彼方へ飛んでいく。だがパネーゼの姿は見えない。


「あ、あ、あ……」


 その珍しい形をした球状の雲を指さしながら、慌てふためいているのは、新市街にある魔法用具店の店長、ヘッケリィさんだった。


「ヘッケリィさん? どうしました? それとお久しぶりです」

「あ、あれ……」

「あれ……?」

「き、君が来た時に話したろう? あ、あれは、女王様か……配下の者じゃないかって……」

「「「「「 !? 」」」」」


 俺は当時の状況を思い出していた。あの時はドローン嬢の絵を400枚プリントする為の担保として、リボルバーの査定をしてもらった。だが、盗品だと疑ったヘッケリィさんに対して「女王様に誓って」と宣言した俺。


 だが、同じように宣言をした者が過去にいたんだ。その二人は突然現れた雲によって連れ去られたという。


「じゃああれって女王様なのか!?」

「それか配下の者だって……」

「お、おい!? ヘッケリィ!? お前がバラしたから怒ってんじゃないのか!? こっちに降りてくるぞ!?」


 意思がある雲。それは自然とは違う動きで、スーっと地面へと降りてきた。先ほどはもっと大きい球状の雲に見えたが、今は卵型で直径は一メートル程。両手が出て両足は素足だった。とても華奢で美しい手足をよそに、左手でパネーゼを引きずっていた。


「ヘッケリィやばいんじゃないのか!?」

「謝っとけって! 壺に入れられちまうぞ!?」

「も、申し訳ございません女王様! ど、どうかお許しを!」


 構わず前進してくる女王様とおぼしき卵型の雲。俺にはヘッケリィさんが悪いとは思えず間に割って入る。


「待って下さい!」

「……」

「タロー!?」

「タロさん!?」

「あ~ マズいよ~ あ~」

「ほ、本当に多世界を支配している女王様……?」

「ぱ、パイセン……」

「鈴木君……」


 するとヘッケリィさんを連れて行く為なのか、右手を差し出してくる。


「ひっ!?」

「待って下さい女王様! ヘッケリィさんは今の今まで俺以外に雲の事、女王様の事を話していないと思います! ですよねヘッケリィさん!?」

「は、はい! この方だけにお話しました!」

「……」


 何も話してくれない女王様なのか雲。すると、その可愛らしい右手の側面を見せながら左右に振る。


「(ブンブン)」


(ん? 違うって事なのか? 違う違うって手を振ってるよな……)


 するともう一度右手を差し出して来る。


(もしかして……)


 エルモアとネピアを含む皆が、俺が手を差しだした事に驚いていた。何故ならその手を繋いでしまったら、女王様に連れて行かれて、壺に入れられると信じているからだ。


「(ブンブン)」

「あ、どうも」


 今度は握った手を上下に振った女王様なのか雲。するとパネーゼを左手にぶら下げたまま、右手を小さくシェイクさせて、バイバイと伝えるように空へ消えていった。


「「「「「 うぉぉぉぉぉーーーーーー!!!!!!! 」」」」」

「女王様に認められたぞーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」

「伝説の勇者の誕生だぁーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」


(はぁ…… とりあえず難は去ったか……)


「パネーゼは壺行きでしょうか?」

「あれが女王様ならそうなんだろうな」

「アイツはやり過ぎたのよ。多分に空間転移魔法とか、人数増えても不安定なまま使おうとしてたでしょ? そういった危うさ目を付けられたんじゃないかしら?」

「実は家族思いだったりして!」

「ヤベーゼさんが、パネーゼを助けようとしてたもんね。けどパネーゼはそれを利用して弟さんを裏切った」

「いや~ パイセンは色んなモノに好かれるっすね~ 貸島さんとかも絶対気に入ってますよ? パイセンの事を」

「鈴木君。借金に関しても仲間だ。一緒に逃げ続けよう」

「いやぁーーー!?」


 脅威が去った皆に残されたのは解放感。だが俺と紺野さんには恐ろしい債権者がいる。これからどうするかと考え始めたときに、シャーロットさんが皆の前に立つ。


「この度は誠にありがとうございます。皆様の勇気のお陰で、王都を奪還する事が出来ました」


「「「「「 シャーロット様ーーーーー!!!!!! 」」」」」


「ヤベーゼ、パネーゼがいない今、王都継承権がどうなってしまうのか分かりません。それでも、もし王女になれなくても、このアドリード王国をそして王都アドリアを、今まで以上に活気と優しさに満ち溢れた場所にしたいと思います」


「「「「「 おぉぉぉぉぉーーーーーー!!!!!!! 」」」」」


 するとDr.ヤーブー。が割って入る。


「あ~ シャーロット王女様。王位継承権は大丈夫でしたぞ」

「え? 本当ですか?」

「古より伝わる魔法演算器を起動してみたところ、王位継承権は変わらずシャーロット王女様のものでしたぞ」


「「「「「 バンザーーーーーーイ!!!!!!!!! 」」」」」


「で、ですが、あの日には間違いなく王都を守る大規模結界が発動して……」

「パネーゼはシャーロット王女様の使用しているアカウントでログイン出来ておらんのじゃ。多分にゲストアカウントでログインし、デスクトップに貼り付けてあった王位継承権デモンストレーション.exeをクリックしただけのようじゃ」

「で、では問題ないと?」

「大丈夫じゃ。あやつはこういった面に弱かったからの」


(ログイン出来たら誰でも王位継承出来るのかよ……)


 そんな事を考えたが、パソコンなんてそんなモノかなどと一人思う。後はヤベーゼ、パネーゼに奪い取られた権利を、シャーロットさんが立て直していくだろう。


「それではこの国の王女として勇者達にご加護を」


「「「「「 おぉぉぉぉぉーーーーーー!!!!!!! 」」」」」


「まずアン様、ザン様におきましては平時より心配り頂き、誠にありがとうございます。脅威から最初に守ってくれてのもお二人です」

「そいつはありがたい言葉だねぇ」

「おぉ。本当だ」

「それと…… お子様がいらっしゃるとの事ですが、私一度もご挨拶出来ておりません。この場にいらっしゃるのでしたら、お逢い出来ますか?」

「可能でございます。おい! ラヴ!? シャーロット王女様がお呼びだぞ!」


「「「「「 !? 」」」」」


 俺たちは度肝を抜かれた。ラヴ姉さんがアン様、ザンさんの子供だとは聞いていなかったからだ。いきなりの告白にラヴ姉さんも目をパチクリさせて認識出来ないでいた。


「あ、え~とザン?」

「ほれ。女王様がお呼びだって言ってるだろ?」

「だ、だって、あたしのお父さんとお母さんはバーストナードにいるよ? 二人に育ててもらったんだよ?」


 アン様とザンさんが二人で顔を見合わした。


「ザン。言ってなかったのかぃ?」

「アンこそ…… 俺はてっきりアンが伝えてると思って……」

「へ……?」

「いいかぃ? アンタはザンとあたしがギルディアンの紛争地帯で作ったのさ」

「へ……?」

「いや~ 凄かったよなぁ~ 身重になっても戦争続けるアンに俺は困ったもんよ~ 休めっていったらぶっ飛ばされるしなぁ~」

「そうだったねぇ…… そして戦闘中に産んじまったのさぁ……」


「「「「「 !? 」」」」」


「戦争だからねぇ…… 片手に赤ん坊持ったまま戦闘するのはキツくてねぇ…… それで、たまたまギルディアンに視察に来ていた夫婦に預けたのさ。それがバーストナードの夫婦さ」

「へ……?」

「まっ そういうこった。別にバーストナードに行くななんて絶対言わないからよ。好きに生きてみろや。まぁ間違いなく俺たちの血で満たされているから、絶対に強くなるぞ」

「そうさね。あたし以上、いや、あの超処女《スーパーヴァー人》を超える身体を手に入れられるだろうねぇ」

「ははっ 違いないな。何せ俺とアンの混血だからな」

「「 はぁーーーはっはっはっ!!! 」」

「いやぁーーー!?」


「「「「「 おぉぉぉぉぉーーーーーー!!!!!!! 」」」」」

「アン様を超える!?」

「ダブルヴァージンどころか超処女《スーパーヴァー人》になれる女戦士だ!!!」


「嘘なんだよね!? ザン!? アン?!」

「こんな事で嘘なんてつかないだろ。なぁアン?」

「ひひ、照れ屋なのは昔のあたしに似てるねぇ……」

「顔と体型なんて若い頃のアンにソックリだもんな。俺も若い頃に戻りたいもんだ」

「いやぁーーーーーー!!!? 誰か嘘って言ってぇぇぇぇぇーーー!!?」

 

 すると上空に、ふよふよと先ほどの女王様とおぼしき球状の雲がやって来た。変わらずパネーゼをだらりと持ち、片方の手で親指を立てて見せた。


「「「「「 おぉぉぉぉぉーーーーーー!!!!!!! 」」」」」

「女王様がお認めになったぞーーーーーー!!!!!!!」

「最強女戦士の誕生だぁーーーーーーーーー!!!!!!!!」


「いやぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!?」


 この日よりラヴ姉さんは女子力を生涯全力で磨き続けた。故にその身朽ち果てるまで、今の体型と美貌を維持できることになる。

 また女王様、アン様、ザンさん、超処女《スーパーヴァー人》の意向を全て取り消した運命返却オーダーキャンセルをした乙女として、アドリード王国の教科書に載る事になるのは、また別のお話である。


 

「そ、それでは、遊撃即応部隊をまとめあげた勇者タロ・ズーキ様です」


「「「「「 おぉぉぉぉぉーーーーーー!!!!!!! 」」」」」

「ロリフターズも紹介してくれーーーーーー!!!!!!!!」

「マネージャー様ーーーーーーーー!!!!!!!!!」


 勇者としての俺の紹介であったが、むしろエルフ組を期待しているレジスタンスのメンバー達。それでもこの勝利の雰囲気はよかった。だが借金と同じくして、俺に負の風が流れ始める。


「女王様! どうか聞いて下さい!」


 そこに現れたのは、エルモアとネピアを騙して奴隷に仕立て上げた商人だった。懐かしい顔に、そういやそんな奴いたよなと感慨に耽っていると、とんでも無い事を言い出し始めた。


「そいつは犯罪者なんです! 勇者などではありません!」

「何を言うのですか? この方は私も救ってくれました」

「そうかもしれません。ですが、私はこの者と仲間に暴行され、荷物を強奪され、挙げ句の果てには…… 地方貴族の慰みモノに…… うぅ……」

「本当なのですか?」

「……」

「本当よシャーロット。過失傷害・公然わいせつ・恐喝・強盗・人身売買の幇助・暴行容疑・軽犯罪法違反のぞき・名誉毀損・強制わいせつ等…… まぁ言ったらキリがないわね」

「オラぁ!? ネピアぁ!? 軽犯罪法違反と強制わいせつは未遂だって言ってんだろうがっ!?」

「え…… ズーキ…… 様……?」

「パイセ~ン? じゃあやろうとはしたって事っすよね?」

「ち、ちがうぞ!? 俺は決して!? それにこのクソ商人だってエルモアとネピアを奴隷にしていたんだぞ!?」


「「「「「 !? 」」」」」


 するとロリフターズファンクラブ会員メンバーが動き出す。もう彼らを止める事は出来るのだろうか。


「ちょっとここじゃなんだから裏で話そうか? 商人さん?」

「まて。ファンクラブ会員メンバー第一号である、この隊長自ら切り落としてくれよう」

「ちょっと待って下さいアピスト隊長? 一号は私ですからね?」

「なんだと貴様!?」

「だいたいですね……」


 だが、シャーロットさんは王女様。国を預かる身としては、犯罪を放ってはおけないのだろう。


「お待ち下さい皆様。ちゃんと話を聞いてから対応させて頂きます」


(くっそぉ!? ネピアの野郎!? 余計な事を言いやがって!?)


 俺は思った。コイツも犯罪者にしてしまおうと。強制失禁をシャーロット王女様の御前で行いたかったが、早急に対応したかったので、公然わいせつの罪を被せる事にした。


「オラぁ!?(グイッ!)」

「きゃーーーっ!?」


 俺はネピアの服をズリ下ろした。ネピアは恥ずかしそうにしゃがんで身を隠している。


「はっはぁ!? これでお前も公衆の面前でいきなり服を脱いだ痴女! 公然わいせつ罪だぁーーーーー!!!!!! はぁーーーはっはっはっ!!!」

「ぱ。パイセン?」

「なんだ?」

「あの、ネピアさんが公然わいせつ罪になるんじゃなくて、これはパイセンの強制わいせつ罪っすよね? しかも現行犯」

「はっ!? しまったぁーーーーーーーー!!!!!!!!?」


「伝説の勇者がいたずらしたぞーーーーー!!!!!?」

「伝説の勇者の猥褻……」

「我が記憶に一片の曇り無し(グフッ……)」

「隊長ーーー!? アピスト隊長ーーー!?」


 気が付いた時には遅かった。エルモアやクリちゃん、ラヴ姉さんにフォローされているネピアが俺を視線で殺しにきている。


(ネピアの瞳が溶岩のように熱く煮えたぎっている…… こ、殺される……)


 するとタイミングがいいのか悪いのか、バルバートさんの船に乗船しているアウロ達がこちらへやって来た。


「なんだよズーキもう終わらせちまったのかよ」

「相変わらず対応が早いな」

「ギルディアンもトンボ帰りだったから、丘で女遊びと洒落込むかぁ?」

「ヤコブだけな」

「あ~ エルモアちゃ~ん ネピアちゃ~ん 糠漬けかき回しておいたよ~」


 俺はアウロ達を引っ張ってバルバートさんの秘密の港へ逃げる事にした。


「お、おい。何をそんなに焦って?」

「殺されるぞっ!? 急げ!? 出航だっ!」

「え、マジかよ!?」

「また船かよ~」

「あ…… マジかも…… ネピアちゃんの目が……」

「理解したかっ!? 逃げるぞ野郎共!!!」


バッ!


「こら待てぇーーー!? 淫獣ぅーーー!?」

「逃げるタロさんは訓練されたタロさん」

「な、なんであんな思考してるんだろうズーキさんは……?」 

「あたしも現実から逃げたい!? うわ~ん!!!」

「パイセ~ン!? ネピアさんに謝った方がいいっすよ!? 絶対捕まるっすよ!?」

「鈴木君! 逃げるなら一緒に連れてってくれ! 借金の友よ!」


 海に沈んでいくだろう夕日を眺めながら全力で逃げ続ける。どの状況でも、どの世界でも俺はバックレ続けていく。ただ一人ではない。皆で仲良く終焉という日すらからも、逃げられるんじゃないかと思える程に力を持った仲間達がいる。だから安心して、これからも逃げ続けて行く事を心に誓ったのである。






「絶対逃げ切ってやるぅぅぅぅぅーーーーーっ!!!!!?」


(あっ!?)


「捕まえた……わよ……」

「いやぁーーー!?」



~完~                     ~ビール





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





◇あとがき◇


 最終話までご覧頂き誠にありがとうございます。予定していた結末を迎える事が出来てホッとしています。第4章・再会からは展開を急いでしまった事、書き切れなかったエピソードを期待してくれている方が、もしいらっしゃいましたらお詫び致します。


 また、当初の予定に無かったアホ伏線を途中で作り、回収する事無く終わってしまった事は残念に思います。他にも忘れ去られているアホ設定や、アホ伏線があるかと思いますが、とりあえずは終了となります。 


 もし、またお付き合い頂けるのでありましたら、ご声援よろしくお願いいたします。ここまで読んで下さった皆様に、ささやかなお礼としまして、幸せになる呪いをお掛け致します。どうぞお幸せに!











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