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第一部 神帝編 第二章

人類は衰退し新たな新生物「超生物ちょうバイオ」が地球を征服して久しい。

わずかに残った人間達は超生物の住む都心部から離れた荒廃した土地に隠れるように細々と生活をしていた。


あずま りょうが村に戻ったのは夜だった。

了の住む村は江古田村えこだむらといい東京都練馬区だった場所にあった。

人類が栄えていた頃は吉祥寺に並んで漫画家が多く住んでいたという・・・。

「明美!今戻った!」

了が家に戻ると明美と呼ばれた女の子が了に抱きついた。

「お兄ちゃん!良かった無事だったんだねー。」

「ごめんな。帰んの遅くなった。心配させたな。」

明美は顔色が白く痩せており、袖口から見える手首も細い。

了はその折れそうなほど細い手首を優しく掴んだ。

両親は了のまだ幼い頃死別しており、妹の明美と二人暮らしをしていた。

二人は宿を営んでいたが1年ほど前にもともと病気がちだった明美がダイズに罹った。

ダイズとは致死率100%の人間特有の病気で原因や予防方法も不明であった。

長くて2年で死に至るがそれまでに唯一の治療薬仙豆せんずを飲ませることが出来れば完治する。

仙豆を手に入れるには3億円必要なのだった。

それからだった、了が賞金首狩りを始めたのは。


「危ないことは止めてって言ったのに!」

「大丈夫だ。危ないことはしないから。

それより寝てろって。

今からうまい晩飯作るから・・・」

明美はそれでもその場を動こうとしない。

「私この頃体調が良くなってる気がするの。

だからもうお金はいらないわ。

もう危険なことはしないで・・・」

絞るような細い声でそう言った。

了はしばらく明美を見つめると

明美は目を逸らして目を伏せた。

了は明美の体を横抱きに抱えて布団へ運んだ。

その体は軽く悲しかった。


翌朝、了は学校へ通った。

真練馬高校といい人数は少ないがあちこちの村から生徒が集まり授業が行われている。

校舎は荒れ放題で窓もほとんど割れ落ちて壁もひび割れている。

了の席の横にいるのが生徒会長の松下慎治。

二人はそれぞれ恐れられていた。違う意味で。

了は人間離れした肉体で不良達を仕切っていた。

一方の慎治はずば抜けた推察力。

カンが鋭いのである。

了と慎治は幼馴染であり一番の不良と生徒会長は親友だった。

ただこの二人の関係にも転機が訪れようとしていた。

慎治は朝一番でこう切り出した。

「了。

急な話だけど引越しすることになった。」

「え?」

慎治は普段からそれほど表情に出さないタイプだ。

その慎治が言いづらそうに了に視線を向けた。

「養父の仕事の都合なんだ。

来週には大阪に行く。」

「またえらく急じゃねーか。」

「ああ。

今日お前の家に伺おう。

そこで詳しい話をする。

明美ちゃんにも話さないといけないしな。」

「分かった。」


夕方、生徒会の用事のある慎治を残して了は先に帰宅した。

「お兄ちゃん。

昨日のお客さん、もう一晩泊ってくれるって。」

「ああ。俺がいない間に客が来てたんだったな。」

”ギシッ”

不意に階段がきしむ。

客が2階の部屋から降りてきた。

じん みかど!?」

階段から降りてきたのは帝だった。

『ほぉお前か。妙なえにしだな。』

了の顔が真っ赤に怒張した。

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