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45.女剣士と猫嫌い

 〜女剣士と猫嫌い〜


青い靴。白い靴下。水色のエプロンドレス。リボンのついた白いカチューシャ。蒼い涙型のペンダント。

カラーコンタクトを外し、メイクを落として武器を手に取ったなら、先の見えない黒い穴へ行こう。

その先に待つものは、善か悪か。

それは誰にも分からない。



アリスは走った。どうなるかなんて分からない。

だけど、ただ進むことしかできないのだ。

そう、クイーンを助けなければならない。

狂眼が、黒魔術が、彼女を完全に飲み込んでしまう前に。

であるから、今アリスが向かっているのはクイーンの部屋だ。


「早くしないと・・・」


ウロ覚えの記憶を頼りにクイーンの部屋へ向かう。

そんなアリスは記憶を思い出すのに必死でその気配に気付くことができなかった。


「アリス=リデル」


アリスは急に誰かに名を呼ばれる。

ハッとその方向へ振り返れば、その人物は無表情に立っていた。


「ルーク・・・・」


「どうも。私の部屋の前をうろついていたので驚いた。

 確か貴方あなたは『茨の牢獄』にいたはずなのに。貴方1人であそこから脱出するなんて不可能。

 一体、誰が手引きしたのやら」


アリスは心の中で、1人の僧侶の姿を思い浮かべた。

知られてはまずいという気持ちが心を占める。


「まぁ、そんなことはどうでもいい、か。私は足止めせねばいけないの。

 アリス=リデル。貴方をここから行かせはしない」


「なら、私が足止めしてあげますよ」


張り詰めた空気の中、突如、介入する第三者の声。

それは片眼鏡をかけ、白い時計を胸に下げた、猫嫌いの人物。


「ルークがアリスを足止めするというのなら、私がルークを足止めします」


もう一度、ゆっくりとこう言って、時計兎はルークを見据えた。

ルークは「三月兎、か」と時計兎の通り名を呼び、同じように見据えるように相手を見る。


「できるの?私を足止めだなんて」


「できます。いえ、しなければなりません」


ルークが剣を構え、そして時計兎に向かって走る。

時計兎はギリギリまで相手を引き付けてからそれを避け、

鞭を一瞬でアリスにまきつけるとそのままルークの背後へアリスを投げる。


「え、えっ・・・!?」


アリスはあまりに突然な出来事に焦るが、態勢を整え何とか上手く着地した。

だがやはり急に投げられたのにはいささか不満だ。


「時計兎!何するの!?」


そう訴えてみるが、時計兎はアリスの顔を見ず、ルークと対峙して言う。


「アリス、そのまま真っ直ぐ走ってください。すると聖堂につきます。

 そこの裏階段からクイーンの部屋の近くまで行けますから」


「っ・・・!分かった。ありがと、時計兎!」


アリスはタッと走り出す。ルークもアリスを追おうとしたが、

剣を持つルークの右手に鞭が絡みつき、動きを止めた。


先程、時計兎はルークの攻撃をギリギリで避けた。

と、思われていたが、僅かに刃が時計兎の頬をかすめていた。

時計兎は左手で血を拭うと、そのまま舐める。

親指に付いた血を、ペロリ、と。


「足止め、と言ったでしょう?行かせません」


「・・・なら、貴公を倒して行くまで」


巻きつかれた鞭をとると、ルークはキッと時計兎を睨みつける。

時計兎は相手の女剣士に向かい、感情を出さずに告げた。


「安心してください。僕は、女性といえども手加減しません。

 いいえ、手加減はしますが、アリス以外は女性と見れないもので。

 アリス以外はメスネコにしか見えないんです」


「安心できる要素が1つも無いけれど。それに、何故メスネコ?」


そう問うと、時計兎はにっこりと笑って


「私の一番嫌いな動物は、ネコですから」


と答えた。


最近は戦闘シーンが続くので、苦心です。

戦闘シーンってどうやったら上手く書けるのでしょうね・・・

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