表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
38/67

33.自己犠牲と女皇の罠

 〜自己犠牲と女皇の罠〜


キングから、昔の話を聞かされたのはつい数日前のこと。

アリスはどうしようか迷った・・・が、国のため、そして既に婚約済み

ということから考え、結婚を承諾した。


―――それがきっと、一番良いのよ。


アリスは王妃となる。黄昏の国も安寧。良いこと尽くしではないか。 

悲しいかな、自己犠牲というものは。


キングによると早い方が良いというので、今日、形だけだが

結婚式が執り行われることになった。そのせいか、城は朝から賑わっていた。


流石は、自由恋愛主義国というべきか。アリスが王妃になるということには

何も反対意見は無かった。というのも、黄昏の国の住民だから

人質にも使える、利用価値があると判断されたのだろう。

それでも、すんなりと事が進むので良かった。


「(黄昏の国にも手紙を出しておいたし、大丈夫よね)」


そんなことを脳内で考えていると、


「アリス様、とっても美しいですよ。リデルはとても嬉しいです」


そうリデルが心から嬉しそうに、目を細めて笑った。


リデルはとても良いだ。

黄昏の国へ来て、独りだと思っていたアリスの傍にいつもいてくれた。

心の支え、とも言える程にまで。


白いドレープのついたドレスを着、様々な装飾品をつけ、

リデルの手によってメイクアップしていく。

アリスは自分の変わりように苦笑しつつ、鏡を見た。

メイクは女の武装といわれるのも解る気がする。


「ありがとう、リデル」


リデルはアリスの言葉に「いえ」と微笑むと、パタンと部屋の外へ出て行く。

先程までは、リデルのみでなく数十名のメイドがいたのだが、

アリスの希望で全員戻(らせ)たのだ。

しかし今は、そのリデルでさえも部屋から出て行った。


突如、コンコンとドアをノックさせる音が部屋に響く。

首を傾げ、アリスがドアを開けると、ノックした本人が姿を現し、言った。


「こんにちは。アリス様。この国の女皇の近衛、ルークです」


そこにはいつもの鎧を今日はしておらず、シンプルなドレスに身を包んだ

ルークが立っていた。ルークはアリスに頭を下げる。


「!!・・・あの、ルークさん?」


「アリス様、失礼かと存じますが・・・」


「いやあの、ルークさん?・・顔、上げてもらえませんか? 

 私もただの武官ですし。今回のは玉の輿ってやつですし・・・・」


アリスがおずおずと言うと、ルークは頭を上げた(それでも敬語は抜けないが)


「我が主、クイーン女皇陛下にお会いしてもらえないでしょうか?」


「(クイーン女皇陛下って、キングの姉の方だっけ・・・?)

 一度も顔見せしていない私の方が失礼ですから、行きます」


では来て下さい、とルークの後をアリスは大人しく着いて行く。

これが、女皇の罠とも知らぬまま。




登場人物紹介



ルーク(18歳)


瞳:黒色  髪:蒼色

武器:剣

特技・・・剣術

趣味・・・絵を描くこと

備考・・・実はナイトと恋人同士。


反響の国の女皇の近衛。

女だてらに剣を振るい、女皇の近衛へと登りつめた。

クイーンのことをもっとも尊敬し、心配している。

故に女皇の命令には逆らわない。

おしゃれには興味があるが、今は戦い>おしゃれである。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ