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15.宣戦布告と会議 前編

 〜宣戦布告と会議1〜


「え、私もなの?」


ここは会議室前。

どうしてか記憶喪失のアリスまで連れて来られた。


「あぁ、ナイトメアはいつも最前線で戦ってきたからな」


帽子屋の答えにアリスは首をかしげる。


「アリスもナイトメアの1人だからね」


「それに、アリスに関わることだろうな」


ハンプティーと帽子屋がちゃんと言い直してくれた。

コンコンッと時計兎は会議室の扉にノックする。


「入りますよ」


カチャリと音をたてて扉が開く。

続いて皆も中へ入っていくので、アリスも大人しくついていった。


「まぁ、先ほどと面子は変わらないけれど・・・

 邪魔が入らず話しができるね」


スペードがにこりとそう言う。まさにその通りだ。

会議室には、スペード、クローバー、ダイヤとナイトメア・・・

ハートを抜かしたメンバーがそろっていた。


「じゃ、座って」


こう促され、アリスは1つの椅子に腰掛けた。


「では、今回の議題はズバリ反響の国との関係についてだ」


「アリスが逃げたのでな、王はカンカンに怒っているかもしれん」


「相手の出方にもよりますね」


「いや・・でも・・・・・」


アリスは会話に入れない。

しかし、自分が逃げてきたせいで大変なことになっているということはわかる。

それは、次のダイヤの言葉で決定的になった。


「そうやろなぁ、反響サンのほうは宣戦布告してきたで」


宣戦布告・・・・・それは戦争を始めるという合図の狼煙のろし


「ごめんなさい」


消え入るような声でアリスは謝る。

所詮、謝るしかできない。逃げずに結婚したほうが

よかったのではないか。そんな疑問が頭の中をよぎる。


「や、別に謝ってほしいわけでもないし、謝らんでもいいんやで?

 アリスちゃんが可愛すぎて気に入られただけなんやし」


ダイヤがそうフォローしてくれる。


「そうですよ、魅力的なのは良いことですから」


「そうそう」


と、次々に続けて周りがフォローしてくれた。


「それに、元々反響の国とは白雪の町の権利争いで

 戦争するかもしれなかったのだから」


そろそろとうつ伏せていた顔を上げると、

スペードの穏やかに微笑む顔が目にうつる。


しかし、すぐに王らしい威厳のある面立ちへと変わった。


「そこでナイトメア。君等に国境に行ってきてほしい。

 もうすでに武官を送り込んであるから、その補助だと思うけどね。

 ・・・アリスはどうするか」


スペードは目で字を追いかけながらパラパラと資料を捲る。


やけに静かな会議室に紙の擦れる音だけが聞こえた。



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