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13.黄昏の王とエース 前編

 〜黄昏の王とエース1〜


「わ〜!アリスー、無事で良かったぁ」


城に着いたら真っ先にチェシャ猫に抱きつかれたアリスの図である。


「チェシャ猫っ離して・・・首が・・・・しまってる」


ワザとではないのだろうが羽交い絞めにされ、アリスは苦しそうに喘いだ。息ができなくなる。


「ハートが城にいないことに気付いてぇ、ハートはアリスが

 嫌いだからァもしかしたら街で会ってるかもってねェ。

 苛められてたらどうしようかと思ったよォ」


全くの聞く耳持たずだ。

さらに強く抱かれてアリスは間違いなく死ぬと悟った。


ゴツン!!


突如良い音がする。

おそるおそるアリスが目を開けると、時計兎がその辺にあった花瓶で

思いっきりチェシャ猫を叩いていた。


「いったいなァ。三月変態兎何するのぉ?男の嫉妬は見苦しいよォ??」


チェシャ猫は打たれた後頭部を擦りながら文句を垂らす。

だが時計兎は花瓶を元あった場所に戻すと、見下すように立つ。


「フン。アリスが死に掛けてましたけれど?気を使えない男って嫌われるんですよね」


あぁ言えば、こう言う。


「アリスとオレのラブシーンを邪魔するなんてネェ。

 気を使えないのはそっちじゃない?空気読めないバカウサギ」


「ア・レ・の・ど・こ・が!!ラブシーン何ですか?

 馬鹿な私には理解できません。ね?阿呆猫」


どこまでも低次元に落ちていく、不毛なやりとりだ。

子供染みていて大人気ない口論に一同は呆れる。


「まぁまぁ2人とも、その辺にしておいて。王が、スペードが呼んでいるよ」


ハンプティーが割って入りそう伝えた。


仕方が無いので猫兎は一時休戦する。

会見の間に行くべくアリスたちはゆっくりと歩った。



「あー、アリス。言っておくが王だからといって敬語は使わなくていいぞ」


帽子屋は、緊張した面持ちのアリスにそう言う。

誰がどう見ても、アリスの顔は引きつっている。


「そ、そうなの?」


謙譲語や尊敬語を使わなくても良いなんて。

王である人物に多少失礼ではないか。


「うん、アリスは何時も通りにしておけばいいんだよぉ」


チェシャ猫は呑気に笑うが、アリスにはそれができなかった。




「アリス、良く反響の国から戻ってきたね」


会見の場につくと相手の第一声はこれだった。


恐らく、真中の王冠を被り玉座に座っている人物が王のスペード。

その右に座っているのがアリスと先ほど会った女王のハート。

左右に立っているのは、ジャックのクローバーと

エースのダイヤであろうことは予想がつく。


王はハートと同じような金髪に紅い瞳。狂眼と呼ばれる赤系統の瞳だが

どこか優しげな印象をもたせた。


(本当に兄妹なの?あの2人・・・)


右に立っているダイヤは陽だまりのような橙の髪と

トパーズみたいな黄色の目。しかし、左目に眼帯がしてある。


ハンプティーように片目に怪我でもしているのか。などと

考えていると


「アリス」


急に話しかけられビクッと一瞬震える。


「はイッ」


「「・・・・・」」


別のことを考えていたのでつい変に声が裏返る。

じーっと視線を感じ、アリスは恥ずかしさからか顔を赤くしていく。


突如スペードがクスッと笑った。




登場人物紹介



スペード(19歳)


瞳:紅色  髪:金色

武器:無いらしい

特技・・・話術

趣味・・・勉学

備考・・・左頬にスペードマーク(青色)がある。


黄昏の国の王。

ハートの兄にあたる人物。

交渉が上手く策士。

19歳に見えないくらい大人びている。

アリスに対して特別な感情を持っているようだが・・・

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