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過去
雑多な交差点、人が奏でるあらゆる生活音、耳に纏わりついてくる……ああ、うっとうしい。ただ歩くだけで肩がぶつかる、まっすぐ歩くことすらできない。
人増えすぎだよな。減らしたほうがいい、じゃないと滅びちまうよな、数は増えていくのに、絶滅に向かっていくってかなり皮肉だよな。
……だからと言って目の前の人間がいなくなればいいとは思えない、俺も死にたくはないし、ほかの人もそうだろう。
…………とは言え、世界を救うために何らかの活動したり、団体に入ったりはしない…………俺が何かしたところでたかかがしれているしな。
どうせなら巨大な力を手に入れて世界を救う…………そんな妄想したところで、ゲームの主人公みたいにはなれやしないがな………………
(………………なれますよ………………あなたにその気があるなら…………叶えますよ、その望み……)
は?
退屈をこじらせてしまったか? 幻聴が聞こえやがる……
本当に退屈していたのだろう、俺は、幻聴に対して返事をしていた
「だったら叶えてくれ」
「契約成立ですね」
俺は意識を失った