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小話 その1
ザーッ。
‥‥雨の音だけがこの空間に響き渡る。
いつもは人の声が飛び交い、バタバタと走る音が鳴り響くのに、今日は違った。
皆、自らの持ち場について自らのやるべき事をしている。
いつもは適当に済ましているのに、今回だけはそういうわけにはいかなかった。
自らを守るために、皆必死だった。
外が静まり始めた時、一つの足音が迫ってくる。
その足音は、ゆっくりとだが確実にここへ迫っている。
足音が迫る度にこの空間に緊張が走った。
そして足音が止まった時、皆はただ一点を見つめた。
その足音の主を、見極めるために。
ガラガラッ。
その足音の主がこの空間に入ってきた時、皆同じ事を考えていただろう。
"あぁ、終わった‥‥"
と。
その足音の主は、そんな事知ったことではないと言うかのような表情をした後、こう言った。
「‥‥それでは、授業を始めます」
その後の一時間は、まるで何時間も過ごしているかのように辛く、終わった後に胃が痛くなったのはここだけの話である。
こんな経験、誰もがした事があると思います。
やっぱ、怖い先生が来るときは緊張しますね(汗)