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第40話 狂人ミセスブラウン その九
残るメインディッシュは二つ。
高畑俊文の『夢の喪失』による絶望。そして、西条エミの『完全なる絶望』。
私は直ぐにでもこのイライラをどうにかしたくて、高畑俊文の希望をはやく奪ってやろうと思った。『夢』は希望の中で上級のモノであるという認識があり、私はその『夢の消失』による絶望に対してかなり期待を持っていた。
だから私は、脅迫していた男に直ぐに連絡をして、高畑を交通事故に見せかけて車でひくように命令した。
『キキッー!!!!』
『うわぁあああああ!!』
『ドン!!!』
今度は比較的うまく計画は進行した。車にひかれたドサクサに紛れ、高畑俊文の右腕を重点的に痛めつけた。そのかいあり、高畑俊文は二度とギターを弾けない体になり、自身の夢が喪失した現実に酷く絶望していた。
しかし、それは死の絶望を超えるほどの絶望ではなく、私の心は晴れなかった。
だから私は『完全なる絶望』の実現に望みをかけ、最後に残った西条エミのもとへと向かった……。




