表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
  作者: 久我由宇
8/8

限り無く赤に近い白

三日三晩貪り合っていた。

湿った空気を纏ったこの部屋に缶詰になって。


吐息と嬌声の狭間から微かに聞こえる粘性のある水の音を伴って私を刺激する。

欲望と呼ぶにはあまりに本能的で野性的な動物の営み。

灯りはない。今ここには二つの生き物がいる。ただ、それだけ。

それだけで十分だった。


曖昧な記憶を手繰り寄せて、私は我に返った。

隣にはまだ温もりを感じたが、声はない。

あれからどれだけの時間が経ったのか、混濁した意識下では正確に読み取れそうもない。

私にわかるのは、確かな満足感と気の抜けた炭酸のような虚脱感だけだった。


そこら中に散らばった私の欠片を集めて拾い上げる。

「あぁ、またか」

独り言のように溜め息を吐く。

そして隣で横たわる君「だったもの」に声を掛ける。


「ごちそうさま」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ