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  作者: 久我由宇
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街と引力

庭の木からぽとりと柿が落ちた。

どうやらニュートンはそれを見て引力とやらを見つけたらしい。

しかし、私はアリストテレスを信じた方がよほど素敵なのではないかと思う。

彼の説を証明すれば明日の朝刊の一面は決まりだが、芸能人のゴシップとでは分が悪い。

ノーベル元素学賞はまたの機会にしよう。


この街に越してきて二年ほど経つ。

生活に不自由はなく、住み心地のいい街と言えるが、どこか寂しく冷たい空気を纏っているようだった。


初めは週に一度の掃除や新しい家具を揃えることを嬉しく思っていた。

しかし、月日というものは残酷で、そんな小さな幸せも風と一緒に街の中に溶けていってしまったようだ。


夜は冷えるようになった。

物置の奥からこたつを引っ張り出す。

どこからともなくやってきた君が布団をめくって中に潜り込む。

その姿を気付かないふりをしながら眺めていた。

「丸くなるとは聞いていたが、君は伸びるんだな」

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