表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/10

【第8話『もう一人の正義』】



 ZEROと、影のZERO。

 両者は、教室という名の箱庭に立っていた。


 光と闇が、息を止める。


「俺は、誰かのために戦う」

「僕は、誰の命令にも従わない」

「それが――正義だ」

「それこそが――自由だ」


 次の瞬間――


 ドオオオオン!!


 床が砕けた。

 ZEROが加速する。残像を残しながら、真っ直ぐに突進。


「喰らえ、“制裁の一撃ジャッジメントブレイカー”!!」


 右手の《違反の鍵》が展開し、巨大なハンマー状に変形。

 その一撃を振り下ろすが――


 影ZEROはそれを紙一重でかわし、

 背後に回り込み、**「影刃シャドウスライサー」**を繰り出す!


「闇は、全てを切り裂く!」


 シュバッ!!

 漆黒の斬撃が走り、壁を一刀両断。

 ZEROの肩に深い傷を刻んだ。


 だが――ZEROは仮面越しに笑う。


「その程度じゃ、俺の正義は止まらねぇ!!」


 傷口から装甲が自己修復を開始。

 光子ブースターを解放、さらに加速!


 「衛星レーザー同期――クロスバースト・キャノン展開!」


 人工衛星G-ZEUSから軌道上照準、

 両腕に装着されたキャノンが高エネルギーをチャージ。


 影ZEROは即座に空間操作で飛び退くが――遅い。


 ズギュオオオン!!


 爆音と共に、壁一面が吹き飛ぶ。

 破壊された校舎の一部が崩れ落ちる中、二人の仮面が空中で激突。


「なんでそんなに“誰かのため”に戦えるんだよ!」

「お前が諦めたものを、俺は守るために立ってるからだ!」


 拳と拳がぶつかる。


 衝撃波が爆風を生み、校舎の窓が一斉に割れた。


 そして――


 二人のZEROが、同時に最後の技を放つ!


 「終審の裁断ラストジャッジメント!!」

 「全否定の闇刃ネガティブ・ブレイク!!」


 光と闇のエネルギーが炸裂。


 教室が崩壊し、空間すら一瞬消し飛んだ。

 まるで、世界が二つに割れるかのような衝撃。


 ――そして、煙の中。


 どちらかのZEROが、膝をついた。


「……やっぱり、お前は……」


 煙が晴れる。


 そこに立っていたのは――

 ZERO。

 本物の、選ばれし仮面の男。


 だが彼の拳は、影ZEROを貫かず、胸元で止まっていた。


「……最後まで、自分の正義を貫いたな。だったら――それは、お前の“本物”だ」


 影ZEROは、微笑んだ。


「……認めたくなかったけど、やっぱり……お前は、強いな」


 仮面が砕け、影ZEROの顔が初めて露わになる。

 それは、ZEROと瓜二つの少年――もう一つの可能性だった。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ