Lost12 優しき青年は、冷酷な魔の王になれるのか
異世界? 別世界から来れば何でもできる? そんなものは都合の良い夢や幻だという事は、青年自身が良く分かっていた。できる奴はどこに行ってもできるし、できない奴はどこに行ってもできないんだ、と。
部屋のドアを開けると、そこは見知らぬ森の中。
端末の電波も届かず、動物も虫の声すら聞こえない薄暗い森の中。
街道に出ると馬車に乗った家族が、人の形をした何かに襲われていた。
言葉も通じず、何の力も能力も持たない青年。
勉強もスポーツも、良く言っても平均的、馬鹿でもないし、運動音痴でもない。だが誰より秀でる程に自慢できる能力もない。
青年の性分といえば、精々仲間から「優しい」とか「良い奴」と言われる位だろうか。
周囲にとって「都合のいい奴」程度の大学生に、この世界は一体何を求めているのだろうか。
これは、特異な力に目覚めても、全てを救う事が出来ない青年が、苦悩の果てに選び続けた軌跡の物語である。
無力故に大切な者を守れず、力を得ても大切な者を守る為に、相手の命を奪うしかない矛盾と相対し続ける。優しさ故に多くの者から愛される一方、優しさ故に失敗し、失い続ける。
ついには、英雄と祀り上げられるも歴史からは抹消され、決して語られる事のない記号と化していく。
その記号の名は―――
部屋のドアを開けると、そこは見知らぬ森の中。
端末の電波も届かず、動物も虫の声すら聞こえない薄暗い森の中。
街道に出ると馬車に乗った家族が、人の形をした何かに襲われていた。
言葉も通じず、何の力も能力も持たない青年。
勉強もスポーツも、良く言っても平均的、馬鹿でもないし、運動音痴でもない。だが誰より秀でる程に自慢できる能力もない。
青年の性分といえば、精々仲間から「優しい」とか「良い奴」と言われる位だろうか。
周囲にとって「都合のいい奴」程度の大学生に、この世界は一体何を求めているのだろうか。
これは、特異な力に目覚めても、全てを救う事が出来ない青年が、苦悩の果てに選び続けた軌跡の物語である。
無力故に大切な者を守れず、力を得ても大切な者を守る為に、相手の命を奪うしかない矛盾と相対し続ける。優しさ故に多くの者から愛される一方、優しさ故に失敗し、失い続ける。
ついには、英雄と祀り上げられるも歴史からは抹消され、決して語られる事のない記号と化していく。
その記号の名は―――
第四部最終章 カデリアの誤算
①予想外の咆哮
2025/08/28 16:00
②屈辱
2025/08/29 06:30
③兄妹の絆
2025/08/29 12:00
④とある館の一室にて
2025/08/29 16:00
⑤試練を与えられたのは、彼か彼女か
2025/08/30 06:30
【第五部】反撃のウィンフォス
序章① 結成前夜
2025/08/30 12:00
②多様な組織には、尊重と協調が必要である
2025/08/30 16:00
③身に余り余る役
2025/08/31 06:30
第一章 カデリア王国侵攻
①順調な滑り出し
2025/08/31 12:00
②補給の問題
2025/08/31 16:00
③焦土戦術
2025/09/01 06:30
④本当の魔王は要らない
2025/09/01 12:00
⑤破滅の風
2025/09/01 16:00
⑥勅命
2025/09/02 06:30