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Lost12 優しき青年は、冷酷な魔の王になれるのか  作者: JHST
第一章 全てが終わった場所で
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⑥メイドと元勇者

 そこへ、手が二度叩かれる。

 コルティだった。

 

 彼女は肩をすくめながら『はいはい』と、子どもの意識を切り替えさせるように声をかけ、場の空気を戻した。

「御主人様の魔剣は、誰にでも触れられるものではありません」

 ならば、ここに置いたままにしても問題はないとコルティが結論付ける。

「兎に角、今は野営できる場所を探しましょう。カレンさん、リコルさん。あなた達も、寝ながら鼻で砂を食べたくないでしょう?」

 胸を張り、腰に手を当てて口元を緩める。

 その言葉に全てが詰まっていた。カレンもリコルも、何も言わずに頷くのみである。

 ケリケラも、彼女の言葉に乗りかかる。

「じゃぁ、ボクが空から回って、辺りの様子をもう一度確認してくるよっ!」

「………野営は木の多い南側が良いだろう。偵察が終わったら南に戻って来てくれ」

 周囲に詳しい事もあり、リコルが適切に指示を出していく。

「それじゃぁカレンさん、私達は馬車を南に運びましょう」

「う、うん。そうだね」

 マキに合わせるように、カレンも後をついていく。


「………すまん」

 残ったリコルが視線を合わせず、背を向けたままコルティに詫びる。

「奴に言われた事を何度も思い出すんだが………駄目だな。まだまだ勇者には程遠いザマだ。仲間の気遣い一つ出来ないんじゃ、また馬鹿にされそうだ」

 自分の拳を強く握り締め、リコルは口を閉じながら白くなっていく手を俯きながら見つめる。

「………かもしれません」

 コルティも砂埃で汚れたメイド服を払いながら彼に近付き、馬車のある方向へと歩き始める。

「ですが、あなたがカデリアの民の為に身を粉にして動いている事を、私は知っています」

 そしてリコルとすれ違う。

「それ位なら、助けて差し上げましょう」

「………借りが返せなくなる前には、何とかしよう」

 乾いた笑みを見せ、リコルは黒い剣に一度だけ目を向けると振り返り、彼女の後を追った。

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