②終わりの中心
「コルティ! あったよ!」
街の奥へと探索に出ていたケリケラが空から戻って来る。両腕が黒い翼である彼女は半分涙目になりながらコルティの下へと降り立つと、そのまま彼女に抱きついた。
「ケリケラ? 何があったのですか?」
「あったよぉ………お父さんの、お父さんのが!」
ケリケラは泣き止まず、それ以上言葉にならない。
「死体か」「お兄様!!」
リコルが再び怒られる。
「馬鹿。俺はな、皆が口にしたくない事実を代わりにだな………」
「別に………全部が全部言わなくてもいいのに」
「ぐっ」
さすがのカレンも目を細めて侮蔑の視線をリコルに送り、彼を黙らせた。戦争とはいえ、自分の父を討った彼の存在を、彼女は許しきれていない。
「とにかく、行ってみましょう。ケリケラさん、案内してください」
マキが勇気を振り絞って声を上げる。そして全員から了承を得ると、馬や荷馬車を瓦礫がまだ大きめに残っている場所に停め置き、そのまま歩き始めた。
「場所的には、中央広場にあたる所だと思うが」
リコルが何もない周囲を見渡しながら、それでも石畳が敷かれていたであろう荒れ地の跡、進んだ距離と方角から元々の場所を推測する。妹のマキも、大体その位だと肯定するように頷き、起伏の激しい地面を確認する。
「こっちだよ!」
早く早くと、ケリケラが先を飛び続け、コルティ達を案内する。
そこは最も窪地の深い場所の中心であった。
「………これは」
周囲を見渡していたコルティが、最後に目の前にある朽ちかけた存在に視線を向ける。
それは巨大な二体の竜種の骨格だった。巨大な頭骨、二本足で歩く事ができる太い足の骨格。近くでは彼らが持っていたであろう、人間よりも大きな巨大な大剣と両刃の斧の残骸が所々に落ちている。
「これが、あの双子竜か」
リコルが一筋の汗を流す。半分近く砂に覆われかけているが、その体からは恐ろしい程の恐怖を内包している。多少の力量を持つ者であれば、否が応でも感じる事ができた。
「ラハーム、ラフーム」
背中を合わせるように力尽きている二体に、コルティが足を進める。触れば、今にも崩れてしまいそうな亀裂が随所に見られるが、彼女は触らずにいられなかった。




