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Lost12 優しき青年は、冷酷な魔の王になれるのか  作者: JHST
第十三章 最期の試練
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②最初で最後の有効打

「ぬぅっ」

 上空へと二枚目の黒い壁を展開するアスタロッテ。

 だが、相田にとってその壁は、既に自分の力で打ち破る事が出来るという認識を強く抱いていた。

 雷撃を纏った爪先が、黒い壁に接触する。

「「こんな壁なんざぁ!!」」

 相田とフォーネが共に叫び、二枚の黒い壁に、窪みと波紋のような歪みを強く、次第に強く押し込むように作っていく。

「「ぶち破る!!」」

 黒い壁がガラスに似た音と共に、同時に砕け散った。


「………小癪な」

 側面と頭上からの破片に見舞われ、さらに自身の壁もが砕かれ、アスタロッテの表情が目を細め、苦虫を噛まされたかのように歪んでいく。

「あぁ、そうだ! その顔が見たかった!」

 相田が彼女の表情を満足そうに拝みながら着地する。同時に腰の魔剣(エビルカリバー)を引き抜いて掲げると、黒い稲妻を剣先へと落とす。

「まだまだぁっ! まだ、終わらせねぇっ!」

 物語に登場した勇者の父親が得意とした魔法剣。それに闇落ちした勇者の稲妻を混ぜ合わせたアビスブレイク。相田は渾身の一撃をアスタロッテ目がけて斜めに振り下ろし、彼女の動き始めていた右手の扇で受け止めさせた。


「フォーネ!」

「ししょー! ありがとうございます!」

 初手を扇に頼る可能性が高いと見通した故の一撃。アスタロッテは、即座にもう一方の左腕を使おうと神経に命令を施すが、刹那に近い意識の遅れは、フォーネの二撃目よりも遅かった。

 フォーネの右手は黒い壁を粉砕させた衝撃で手袋ごと朱く染まり、手首から先に力が入っていない。彼女自身も、右拳が砕けている事を理解していたが、すでに痛覚はない。

 そのまま右足を直上へと振り上げた。

 狙うはアスタロッテの左腕。フォーネは彼女の腕よりも短い前足を全力で振り上げ、その風圧だけで相手の動きを鈍らせる。

「かかと、落としぃぃぃぃ!!」

 勢いを殺さず円軌道を維持しながら、踵を金槌の如くアスタロッテの手首に打ち落とした。その威力は互いの体内で鈍い音を響かせ合い、確実に双方の内部にまで致命的な被害を加える。

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