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Lost12 優しき青年は、冷酷な魔の王になれるのか  作者: JHST
第十三章 最期の試練
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①師弟共闘

 言葉を挟んでこないと見極めたアスタロッテが、フォーネ、続いて相田へと視線を向ける。

「お前達人間はどうなのだ? 己の短所や癖をどうやって治す? 良ければ教えてくれないか?」

 右手を軽く空に向け、『さぁ』と言葉を投げようと構えていた。

 しかし、彼女の口が僅かの間に閉じ、その投げかけが形式だけだと目を細める。

「―――お前達を殺す前に」

「………っ!」

 相田は顎を引いて黙る事に徹した。

 真の強者には、共通した語源録でもあるのだろうか。定型的な言葉であっても、限られた者が口にした場合のみ発する事ができる圧が生じる。それは空気でもなく、波でもなく、言葉では決して形容できない純粋な殺気であった。

 それでも今の相田にとっては、決して退く事が許されない。卒倒しそうな圧に耐えようと必死に唇を噛みしめ、静かに全身を抜けて行く恐怖に表情のみで耐えきった。


 体力を温存させる為、ギリギリまで伏していたフォーネがここで立ち上がる。

 それを相田はサインと見なした。

「行くぞぉぉぉぉっ! フォーネ!」

「はい、ししょーっ!!」

 勝負を賭けるしかない。相田は大きく一歩を踏み出した。


「………来るがいい。お前達のいう三撃、その全てを受け止めれば吾の勝ちぞ」

 アスタロッテは扇を広げた。

「「まずは、おさらいからっ!!」」

 相田とフォーネが、左右互いに分かれながら、中心にいる魔王を目指す。

 対するアスタロッテは、後方に数歩分側面に跳ぶ事で、自分を中心に相田とフォーネが直線状に並ぶように仕向けた。

「この状態では、貴様は大技を撃てまい。撃てば白兎に―――」

「ホーリークロス!!」

 相田は両手から光を解き放った。

「何じゃとっ!?」

 予想外の行動に驚きつつも、アスタロッテは咄嗟に扇を突き出し、閃光を左右に裂く。


「私の拳が怒りに燃えるっ!」

 フォーネの動きは止まる事無く、全速力で彼女にアスタロッテに迫っていた。

「そこまで計算したか。我が二つに裂くと」

 彼女が残った左腕をフォーネに向けr、黒い壁を作り出す。

「壁をぶん殴れと、ししょーが叫ぶぅっ!」

 フォーネの右拳が大きく振り上がる。

「「ひっさぁぁぁぁつ!!」」

「ごっど・ぱーーんち!」

 初めにフォーネが黒い壁に向かって大きく振りかぶった拳を打ち放った。分厚い鉄板を殴りつけた時と同じ低い衝撃音と共に、空気と黒い壁が水面を作りながら前後に広がっていく。

「サンダーキィィィィック!」

 続いて、縮地で上空へと飛び上がっていた相田が右足を帯電させながら、ほぼ垂直の角度で落下する。超巨大ロボットが、遥かに巨大な敵性生物達を次々と打ち抜いていく技を想像(創造)し、重力以上の加速度を得た点となって一筋を描く。

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