第七話:聖女との対面、まさかの尋問スタート
「おい、ここはどこだ!?」
俺は馬車から降ろされると、でっかい建物の前に連行された。
白い大理石の壁、天井まで届く巨大な扉、至る所に彫刻やステンドグラス——
「……これ、絶対ヤバいとこじゃん」
ただの城じゃない。もっと神聖な場所っぽい。
「あの……ここ、どこです?」
「サルディア王国の大神殿だ。貴様は聖女様の元へ連れて行かれる」
「……はい?」
俺、聖女に会うんだよな?
普通に「ようこそ!」って歓迎されるやつじゃないの?
なのに、両脇に兵士がついてガッチリガードされてるのは何故?
俺、なんかヤバいやつ扱いされてない?
いや、絶対されてる!
「おい、だからさ、せめて事情くらい説明して——」
「黙れ!」
「えぇ……」
こうして俺は、神殿の奥へと連行された。
異世界転生 → 牢屋 → 馬車逃亡 → 王都 → 即尋問
俺の異世界ライフ、開始から全然落ち着く暇がないんだが!?
そして、聖女との対面
「ここが謁見の間だ」
「え、謁見? そんな大げさな話?」
兵士たちは扉を開き、俺を部屋の中央へと立たせた。
そして、目の前には——
白銀の髪に透き通るような肌、清らかな光をまとった美しき女性 がいた。
「……聖女様?」
まるで絵画から飛び出してきたような神々しさ。
その女性は俺を見つめ、静かに口を開いた。
「——あなたが、“神に愛されし者”なのですね?」
「えっと……そう、らしいです」
「異端者かどうか、見極めさせてもらいます」
「え、なんでそうなるの!??」
まさかの尋問スタート。
異世界転生して初めて会う聖女が、俺を裁こうとしているんだが!?
(第七話・完)