12歳のエンディングノート
僕は、アレクサンドリア
歳は、12歳
この世界最後の黒人
世界は僕を求めてない
僕も世界を求めてない
それはある意味相互利益なのかも知れない
世界が注目している
僕の最後を
事故死か
病死か
自死か
他殺か
いずれにせよ最期は必ず訪れる
世界から僕が消えたとしたら
消えたその後は
きっと何も変わらない
その程度の存在に過ぎない
夕陽の沈む海が命の終わりと重なって見えた
さよなら世界
さよなら命
つまらない文を書き止めたノート
人は、それをエンディングノートと呼ぶ
たった12年の生涯は
たった12行に収まった
何かな死を覚悟した文を吐き出した僕は
元気を取り戻していた
これはエンディングノートなんかじゃない
僕のプロローグノートだ。