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秋田県編♡

いい年をした旦那との初バレンタインの思い出である。

当時小学生だった私にとってバレンタインとは「男子だけチョコレートたくさん食べれるのずるい!」としか思えない行事だった。

今思えば、かなり幼いなあ私。

「ねえ、やっちん」

「ん? なんだ」

何十年後に一緒になる旦那とはまだ同級生友達の関係。

そんな泰行(やすゆき)に私は声をかける。

真面目な性格の泰行は、私だけがやっちんというのを許していてくれている。

もう、小学六年生だからちゃんと名前か名字で呼ばなきゃいけないのは分かっている。けれど低学年からの習慣は抜けないものだ。

「チョコちょうだい」

「は⁉」

さすがにおかしいか。

当時、女性から男性にチョコレートを贈るのが鉄板であったから、逆はまずなかったのである。

「だって、海外では男の人が贈り物をするって普通らしいよ?」

朝のニュースで仕入れた知識を披露してやる。

眼鏡をずりあげて、泰行は黙ってしまった。

その気まずい雰囲気のまま、バレンタインを迎えてしまった。

朝、寝惚け眼の私は母親にたたき起こされて、家の玄関に居た。

「やっちん……」

「ほら、チョコレート」

泰行は、本当にチョコレートの包みを渡してくれた。

心がポッとあったかくなった。

「……ありがとう、したっげすぎ」



「ハッピーバレンタイン」

どこからか、そんな声が聞こえた気がした。






♡「したっげ」とは秋田弁で「とても」「すごく」という意味を持つ方言。

 だから「したっげすぎ」とは「とても好き」ということ。

 また、「好ぎすぎでなんともないさいね」という告白もあり。これは「好きすぎてどうしようもな   い」という意味の方言告白。

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