表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

19/26

福井県編♡

「化石チョコレート……」

「うん、とっても面白いでしょう」

僕は、呆気に取られて手元のチョコを見つめる。

笑っているのは博物館の受付嬢をやっている、僕の親戚で年上のお姉さんである瑞菜(みずな)姉さん。

瑞菜姉さんが、博物館のアピールをしようとして考案したのが冒頭の化石チョコレートである。

骨の部分が白のホワイトチョコ。岩の部分がビターチョコだ。

面白い。

けれど。

「今日のバレンタイン限定企画なの?」

「そうなの。好評だったら通年で売店で販売決定らしいんだけれどね」

茶目っ気たっぷりでウィンクする瑞菜姉さん。

ぱきり、と音を立てて僕はチョコを食べる。

「美味しいよ。案外イケる!」

「案外とは何だ、案外とは」

僕を小突く瑞菜さんは、昔と変わらず綺麗で愛嬌がある。

仕事でも皆が頼りにしてて、この博物館の人気者である。

瑞菜姉さん目当てで足繁く通う人も居るという。

「で、少年。今日は何の目的で来たのか、いい加減教えてよ」

「少年じゃあないし」

僕は不貞腐れる。

かくいう僕だって、瑞菜姉さん目的にして来ている来館者の一人。

それに、来年から同じ職場で働く同僚にもなる。

……まだ、言ってないけれど。

「ほら、少年。行ってみなよこの親戚のお姉ちゃんに」

「……分かった」

目を真っ直ぐ見て、僕は言う。

「瑞菜姉さん。好きやで。付き合ってくれんかの」



「ハッピーバレンタイン」

どこからか、そんな声が聞こえた気がした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 『バレンタイン恋彩企画』から参りました◎ 追いつきました! 読みやすくてキュンキュンするストーリーばかりで楽しませていただいてます☆彡
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ