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第三回(3)

 マジでころっころ話題変わりますねこいつら……。



柴「会社の飲み会ってマジ行きたくねーよなーの話です」


上「柴山さんってあんまり酔わないほうだったりします?」


柴「あんまりどころか、ほとんど全く。味もジュース+苦味みたいな感じで、美味しいと思えなかったんですよね。なので酒を飲むメリットが感じられず、全然飲まなくなっちゃいました」


上「あー。じゃあ飲み会に行っても?」


柴「そうです。酒飲まないから割り勘だと損するだけだし、酔った連中の内容の薄い話を聞き流すだけの時間だし、なんにもいいことありませんね」


上「えっと、あたしが言うのもアレだけど、そんなに言って大丈夫? 局の先輩とか聞いてるんじゃない?」


柴「いやいや、そういうことを大学にいたうちに学んだので、会社入ってからは全然行かないんですよ飲み会。新人の歓送迎会だけは参加しますけど、必ず幹事をもぎ取ってご飯の美味しい店を予約しています」


上「強かだ……」


柴「上崎さんも行かないって言いましたよね?さっき」


上「あたしはお酒飲むし、身体はしっかり酔うんだよ。ふらつくし、飲みすぎると気持ち悪くなるし、声も大きくなったり。でもけっこう思考がはっきりしたままだったりしてさ」


柴「うん? どんな感じですか?」


上「なんて言うんだろうなあ……他の人の酔い方が分からないからアレだけど、ふわふわした、幸せな感じにならないというか。おっきい声出した次の瞬間に、何やってんだ自分。もっと声抑えろやって自分を責めたり」


柴「酔いきれない……って感じなんですかね」


上「そーなのかな?あたし液体の量を飲めないから、強いの飲めば酔えるかなーって思ったこともあったけどね。トイレに籠って終わったよ」


柴「てことは、飲み会の時の感じ方は僕とほぼ同じでしょうか?」


上「酒飲まない故の虚しさは無いけどね。こっちの頭が冷静な状態で、頭まで酒に侵された人の話聞いてるとさ、心の中で色々ツッコミを溜め込みながら笑顔作るの怠くてさー」


柴「普段はすごくいい人だったりするんですよね、意外と」


上「よく、酒の席で見える人柄がその人の本性だーとか言って、飲み会を絶賛する人いるけどさー。別に求めてないんだよねそういうの。内心何思ってようが、理性で自分を律して穏やかにいる人はそれで十分いい人なんですよ。別にその人の本性なんて見たくねーんだわ」


柴「友達や家族は本性見せ合って語り合いたいですけど、仕事仲間にそういうの要らないですからね。うまく付き合って、仕事を完遂させられればいいのに」


上「そんなわけで仕事の飲み会はあんまり行かないです。最初っから断りまくってたらそういう人だって割り切られたよ、今は」


柴「上崎さん、4年制大学卒でしたよね? 会社入って3年でよくその立場を築きましたね」


上「元々あたしの職場は、仕事内容は二の次で給料福利厚生重視のタイプが多いとこだからね。あたしは飲み会嫌い系の人なんだなって、割とすぐ受け入れられたかな」


柴「おお、いいですね。逆にどんな人が飲み会至上主義なんでしょうか」


上「俺は人との繋がりで仕事をやってきたんだぜって言う人」


柴「あああ……(笑)地雷ですね」


上「別にさ、そういう人が悪いってわけじゃないんだよ。実際、それで仕事がスムーズに進んでるし、すごいとは思う。でもさ、この先もそれじゃ、駄目だよね?」


柴「勤務時間外のやり取りで次の仕事決まったり、ルール外のこと内密に話してたり、明らかにずるいですよね」


上「あくまで飲み会は仕事じゃないんだよ、だって給料出ないんだもん。そこで仕事とって自慢気な顔されるとそうじゃなくない?ってなる。あなたのそれはズルですよ?って」


柴「タバコもそうですよね。何休憩所で仕事の詳細詰めてるんですか」


上「んで帰ってきてこう決まったから~って、あたしの知らないところで決まってる。おかしいでしょ」


柴「別にいいんですよ、飲み会も、タバコ休憩も。好きにやってください。でも、そこにいない人が関わる仕事をその場所で決めるのは絶対おかしいし、それに参加するようにって言われるのも更に論外ですよねえ」


上「それが当たり前になって引き継がれていくのが一番の問題だと思うよ?新社会人に飲み会には積極的に参加することが仕事の獲得に繋がるとかよく恥ずかしげもなく言えますねと、思っているけど社会がそうだから仕方がない。結局社会が間違ってるってなって話が大きくなりすぎて終了するけど」


柴「そこまで行くと手に負えませんもんねえ」


上「自分ができる範囲で、ルールに反しないくらいで細々と抗ってくしかないんだよ」


柴「僕らみたいな人が増えれば、社会の流れが変わってくるかもしれないし」


上「なんかあたし、選挙思い出した」


柴「あー。確かに似てるかも」


上「あたし達に社会を変える力は無いけど、あたし達まで流されたら絶対に社会が変わらないと思うと、ね。最後の防波堤にでもなってやるしかないじゃん?」


柴「同じことを考える人が増えれば、社会の流れが変わるかもしれないってのも同じですね。票数の話」


上「だから選挙に行こう? っていうね」


柴「最近の若者……って、一括りにしちゃうのは失礼かもしれないですけど。なんか、無力感ってやつに、慣れてないんでしょうかね」


上「あー。大事だよー? 慣れておくのは。社会に出ると日々無力感を感じることばっかだよ。それでもさ、できることをやってくしかないんだよね」


柴「無力だからってやらないと、最後の希望もなくなってしまいますからね。自分の望む方向に向かうまで、希望をつなぎ続けていくんです」


上「めちゃくちゃ恥ずかしいこと言ってるね」


柴「上崎さんもですけどね。でも、これは、なんですかね。体験しないと分からないんですかねー」


上「挫折っていうかね。うまくいかないなーって時は、人生に必要なのかもしれない」


柴「25歳が人生を語ってる……」


上「濃いよー、25年」


柴「これからも濃い人生を過ごしていきたいですね」


上「28歳が年寄りみたいなこと言ってる……」


柴「さて。それでは締めに入りましょうか」


上「あー今日はなんか疲れたなー!」


柴「来週は上崎さんのバカ話を聞く回に戻りたいですね」


上「あたしだけバカ枠なの? 心外なんだけど」


柴「番組ではおたよりを募集しています。内容は自由。語ってほしいトークテーマ、今までの放送に対する意見や反論、その他、僕や上崎さんに聞いてほしい話などなど。どんなことでも構いせんので、送ってください。そろそろ話題が尽きそうなので、首を長くして待ってます」


上「あ、あとリクエスト曲も募集中! 意外とそれを元に話が進んだりするから大歓迎です!なんでその曲が好きなのか、とか語ってくれてもオッケーよ!」


柴「過去の放送見たら意外でもないでしょうに」


上「まあ確かに、曲の話ばっかしてるか」


柴「そんなわけで、お待ちしております。それではまた来週」


上「締めの挨拶とか決まってたっけ」


柴「いや別に」


上「じゃあせーのでいこっか!」


柴「えっ」


上「せーのっ」



上「ばいなーら!」


柴「さよなら~……」



(ED)


(曲)「番組テーマソング(瀧田樹里)」

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