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第二回(3)



上「柴山さんって歳幾つ? ですか?」


柴「あれ、また微妙に敬語ですね」


上「いや、うーん……基本的には普通に話すけど。質問とか、ですます付けたほうがいい感じになるものもあるじゃん?このじゃんってのも結構気に食わないんだけど」


柴「あー……なんとなく、わかります」


上「敬ってなくても敬語使ったほうがいい時もあるよね」


柴「今敬ってないって言いました?」


上「やっぱこのごちゃまぜなスタイルがあたしには合ってるかなーって。で、幾つなんですか」


柴「まあどっちでもいいんですけどね。歳は……ええと、28とかだったと思います」


上「あれ? 意外と若い。しかも曖昧」


柴「老けて見えます?」


上「そーでもないけど、話し方が落ち着いてるから」


柴「入社してすぐから実践で人前に出る機会を多く戴いてたので、慣れはあるかもしれないですね。あと曖昧なのは、このくらいになってくるとしょうがないじゃないですか」


上「えーでもちょっと早い気はするなー」


柴「実際、女性は分からないですけど、僕なんかだと20越えたらあとは30まで大して変わらないんですよねえ。老けたなあって感じる瞬間は、高校出てからしょっちゅうありますし」


上「酒飲めるようになれば一緒ではあるかも。あと、その前だけど結婚?」


柴「まだ縁が無いですねえ」


上「この話は今度にしましょう、空気が重くなる」


柴「なぜ年齢の話を?」


上「いや、タメ口を交えていくことが正式に決まったんで、一応聞いとこうかと思って。めっちゃ年上なら流石に考えたほうがいいかなあと、思……ったり思わなかったり」


柴「正式に決まってたんですか。まあ、私も上崎さんにならいいかなと思ってましたし、気にしませんよ」


上「お? もしや私に気がある?」


柴「いいえ」


上「いいえて」


柴「そもそも何度も言ってますけど、まだ会うの2回目ですし。お互いのこと全然分かってないじゃないですか」


上「漫画とかでよく一目惚れってあるじゃないですか? あれ本当にあるのかな」


柴「上流階級では……って話は前回しましたっけ。むしろこの話だと逆ですよね、そんなに他の人の顔面酷いの?っていうか」


上「あー。やっぱりそう思う?」


柴「実際、芸能関係者の方とかと接する機会が多いからわかりますけど、顔がいい人って実は意外といるんですよね」


上「うんうん。あたしもね」


柴「顔見てカワイイ! 好き! ってなるんなら毎日のようになってるでしょって考えちゃうんですよねえ、そういう展開見ると」


上「ねえあたしは?」


柴「下手に容姿に言及するとセクハラ判定とられる世の中じゃないですか」


上「クソみたいな世の中だよね。あたしはバンバン褒められたいのに」


柴「じゃあ言いますけど、顔はすごくいいですよね」


上「なんか言い方引っかかるけど嬉しい!」


柴「話を戻しますと、一応上崎さん芸能界の人ってわけじゃないじゃないですか、微妙に」


上「ラジオ一個やってるだけで名乗れるほど甘い世界じゃないだろうしねえ」


柴「つまり一般人。一般人にもこれだけ綺麗な人がいるんですよ?なのに一目惚れするほど突出した綺麗な人、周りと全然レベル違う人なんてそんなにいるか?と思っちゃうわけです」


上「あたしが突出してるほうだって可能性は」


柴「一目惚れされたご経験が?」


上「ないね」


柴「ほら」


上「なーんか強引な理論ではあるけど、まあおおむね同意って感じです。イケメン、多いよね! でも好きにはならねえ!」


柴「そもそも上崎さん人を好きになったことあるんですか?」


上「お? 喧嘩か? あたしの歴代彼氏トーク喰らってみるか?」


柴「長くなりそうなんで次の機会にお願いします」


上「ここで『長くなりそう』ってさり気無いフォロー入れてくれるの素敵だと思いますよ」


柴「因みに上崎さんはお幾つなんですか?」


上「今度、性差別とかジェンダーの話しましょう。柴山さん」


柴「唐突。……あ、もしかして年齢聞いたのまずかったですか」


上「むしろ逆というか。いや、その質問でふと思い出したんですよ。あたし、女性の権利をーとか平等をーって叫びながら『女性に何々の話をするのはマナー違反です』とか言う輩が鬱陶しくてしょうがないんですよね」


柴「ああ、そういう。矛盾というか、権利の主張ばっかするタイプの人の話ですね」


上「おっ、話が合いそう。てわけで、今度ね。長くなるからね絶対」


柴「燃えそうだなあ……」


上「燃えてなんぼの番組ですよ、多分だけど。歳は25です」


柴「あ、じゃあそんなに変わらないですね」


上「うん。よろしくな柴山さん!」


柴「はいはい、分かりましたから」


上「まあ今更年功序列とかって時代じゃないけど、それでもやっぱり年齢差によって対応って変わるよね。それこそ、2、3歳差位までかな?」


柴「学校で一緒だったくらいの範囲ですね」


上「あー、そうかも。その辺でこう、体に染みついてきてるのかな」


柴「まあその時は敬語使ってたわけですけど」


上「ほんと? あたし結構馴れ馴れしかったかもなー。それこそ何々っスよ! みたいな」


柴「年上年下を最低限意識した友達、みたいな?」


上「まさにそんな感じだったなー」


柴「今でも付き合いのある先輩、後輩とかいます?」


上「いる! けど、会うことはそんなに多くないかなー。今どきSNSで簡単にやり取りできるし、わざわざ会わなくても仲良しのままでいれちゃうんだよね」


柴「僕の学生時代は微妙にその時期外れてるんですよね。だから、上下で残ってる繋がりは大学の頃のが多いです」


上「寧ろあたしはそのあたりの頃、学生の時からSNSでのやり取りがメインだったり」


柴「おお、そうだったんですか? 面白いですね」


上「ゲストとか呼んだりしないのかな? ジェネレーションギャップトークとかしてみたいなあ」


柴「検討してもらいましょうか。予算の許す範囲で……」


上「その問題があったかー」


柴「ところで、上崎さん」


上「はいはい?」


柴「そろそろお時間です」


上「だよね。新たに話始まるかと思ってびっくりした」


柴「どうでしたか第2回放送は」


上「今日で柴山さんとは完璧に仲良くなれたかな!」


柴「ふっ……」


上「何故鼻で笑う」


柴「コミュ障を舐めてもらっちゃ困りますよ。あなたはまだ、柴山蒼汰の表面を浚ったに過ぎないのです……」


上「えー……むしろこの辺でいいでしょ。仲良くなったていで表面上のお付き合いをしていきましょう」


柴「なんて人だ」


上「あ、次回のリクエスト曲は柴山さんお願いしますね」


柴「え?」


上「そんなわけでお時間です!リスナーの皆様、是非また来週もお付き合いくださいね!シーユー!」


柴「ちょっ、あの、ええ……」



(ED)


(曲)「番組テーマソング(ずっと真夜中でいいのに)」

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