表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/37

魔物



しばらく聖女のことについて考えていると時間がだいぶ過ぎていた。


まずい、あと7分くらいしかない!


急いで先程の広場に行くと、そこには焼き焦げて原型をとどめていない何か魔物がいた。


「え、なにこれ…?」


思わず口に出してしまうと、近くにいた男の人がそれに応えたようにこちらを見た。


「これはさっきの騒ぎのものになった魔物でクローベアらしいよ。黒焦げで原型をとどめていないけど。普通のクローベアならランクCだけど、変異種で普通のより2倍以上大きくて動きも桁違いで苦戦したらしい。多分ランクAって騎士団の人達が言ってた。」


「あっ、色々教えてくれてありがとうございます。」


見たところ騎士服が見習いのものだし同期の人かな?


「私はソフィアです。同じ見習いの方、ですよね?これからよろしくお願いします。」


「あ~そういう堅苦しいのいいや。普通に喋ってよ。ソフィアよろしくね。」


出された右手に応え、握手をするととてもニッコリとしてる。


「俺はアンドリュー。リューって呼んでよ。」


「分かった。リューよろしくね。」


「うんうんそれそれ。」


同期なら口調崩しても大丈夫か、って思ったけど正解だったみたい。リューがすごくニンマリしている。金髪長身のイケメンがニンマリしてるとなんか、合わないな…。


「それでここ集合だったんだけど、あの魔物がいるからもう少し待てってさ。」


「だから皆そこら辺に散らばってるのね。」



魔物にはランクというものがある。下はDから上はSまで、この変異種のクローベアがAランクとなると普通の人が何人集まってもこんな丸焦げにできる相手じゃないんだけど…。


「やっぱすごいよな騎士団って。早く見習いから卒業したいぜ。」


「気がはやいよ~。まだ入って一日目じゃん。最速でも半年はかかるって聞いたよ?」


「知ってるけどさ~。やっぱこういうの見ちゃうとね。あ、ちなみにこのクローベアを倒したのは第二団団長のマーヴェさんらしいぜ。」


団長自ら赴くってことはやっぱり強かったんだ…。そうだよね、普通の騎士団の団員でも並の人が束になっても敵わないくらい強いのに、あんな酷い…。


先程の惨状を思い出して少し悲しくなった。私が治したからと言って、一度はああなっていたんだからすごい痛かったんだろう。これからのことを考えて絶望したんだろう。


騎士団というのは戦地にも魔物狩りでも最前線に行くからこんなのは珍しくないだろうけど、慣れてしまうことなんてありえないと思う。


「それで、この魔物に結構やられたらしくて結構怪我が酷い人も居たけど、神様のお導き?ってやつで完全に治ったらしいぜ。すげえよなあ…。」


「あー、うん、すごいよね…。」


それ実は私だったり、するんだ…よね?

なんだかまだ実感がわかない。当分はきっとこのままだと思う。

今後もこの能力を使うときがきっとくるからそしたらとりあえず隠れて使おう。なんとなくそう決めた。






ありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ