自覚
コンコン
…?音がなっている。まだ夢現なせいか、意識がはっきりしない。
コンコン
ん?コンコン?なんの音…?
コンコン
あ、扉を叩く音だ!まずい!全然反応できてなかった!開けなきゃ!
「はい、すみません今すぐ開けます!」
ガチャ
「ごめんね、もしかして寝てた?」
「は、はい。」
なんだろう、ものすごく恥ずかしい。寝起きが悪いと思われてそう。
ところでこの綺麗な男の人は誰だろう?大体の団長と副団長は把握してるので、それ以外の人だと思うけど…。
「あの~、」
「あ~、ごめんね!自己紹介がまだだったね!俺は騎士見習い達のまとめ役になったライアンって言うんだ。よろしくね。」
「あ、よろしくお願いします。」
聞く前に言われてしまった…。
「私はソフィアです。これからよろしくお願いします。」
「聞いてるよ!騎士団に女の子自体入ることが珍しいからね!」
「そ、そうですよね…。」
騎士になるのは男の人が殆どで女の人はまず居ない。なので女と言うだけで相当浮いてしまうし目立つのだ。
「本当は第六団副団長が仕切り役だったんだ。けど、さっきの騒ぎでそれどころじゃなくて、代役として俺になったってわけだよ!」
なるほど。確かに仕切り役の人は、どこかの副団長だと聞いていた。しかしあの人だったのか。泣きながら祈り、話しかけてきた人だ。仕切り役だから私の名前も知っていたのか。
「分かりました。それで、どうかしましたか?」
「あ、そうそう!今日色々無くなったでしょ?だから今のうちに、見習いのみんなに建物の中を説明しようと思って!今各部屋を回ってるんだ。20分後に広場に集合ね!」
「分かりました。ありがとうございます。」
広場、さっきの騒ぎがあった場所か。今の所広場とこの寮しか把握できてないからしっかり覚えないとな。
「じゃあまたね!」
「分かりました!」
一人になったことだし、今のうちに夢の中でのことを整理しよう。
とりあえず頭の中に回復魔法を思い浮かべてみる。
すると、勝手に知識が流れ込んでくる感覚に襲われた。
[回復魔法とは、それすなわち聖女の奇跡。]
[他の魔法と同じで頭の中で思い浮かべ、体中に魔力を巡らせることで発動する。]
[どの程度の怪我かによって自動的にヒールの選択がされる。]
なるほど、あのときは6人もいたし、空からで広範囲にする必要があったから超高領域回復だったのか。
ありがとうございます。