第7話 暗闇の残影
弥夢中心の話です。
久々の綺麗な青い空だった。
少女2人は旅を続けていた。
幻術士といっても詩優は
まだ幻術しか使えない。 この世界を助けられる力は
まだもっていない
幻術士は旅で知識と新たな術を学ぶ
それが本来の目的である
幻術を学ぶには
幻術を極める者
『幻師』 が幻術士を鍛え、学ばせてきた。
その旅で築き上げた 偉大な力を
幻術士は個人の自由な力で 力を放出する
その者の考える世界の救い方で
その力の使い方で
神 勇者 魔王 死神
など 多様な名で呼ばれる 幻術士
次の幻術士は何と呼ばれるだろうか
2人は 森を超え 兎の村を超えた先にある
魔力を感じさせる 暗闇の古都 ルースメカルドに向かっていた。
そう、そこには『幻師』がいた。
コツコツ コツコツ ガララララララ
詩優は大きな黒い門を開けた。
門には重い魔力が含まれていた。
だが 詩優には普通の扉と同じように
躊躇い無く開けた。
「到着ですー。」
詩優は 息を静かに吐いて背伸びをした。
「・・・辿り着きました」
弥夢はいつもと変わらず 無表情だった。
弥夢が詩優に顔を向けた。
心配しながら 真剣な目で詩優を見つめた
「大丈夫だよ・・・頑張る。」
弥夢は視線を前に向け 頷いた。
そして2人は 門を潜り、漆黒城に向けて
歩き出した。
漆黒城 そこには幻師がいる
真っ暗で広い城の中で 永遠待っている
街中には 暗い表情の人々がたくさんの人がいた。
沈んだ目で 疲れきっている表情だった。
お店は多数並んでいるものの
いささかの活気は無かった。
弥夢は空を見た
(朝はあんなに綺麗な空だったのに
ここは・・・黒く重い雲。
邪悪な何かが街を包んでいる・・・危険だ)
弥夢は歩きながら 空気を指でなぞった。
強い結界を張るためだった。
弥夢の薄暗い紅の瞳は 綺麗な紅になった。
「・・・闇の神よ 鋼鉄の影で守れ
魔の力よ 闇に生まれ 闇に還れ 」
指でなぞった場所が 黒く光りだした。
弥夢が書いた図形と魔字は大きな闇となり
詩優の周りの壁になった。
人々の視線は一気に弥夢に向いた。
ざわめきが聞こえた。
少女とは思えないような、強力な魔気
そして 上級の守術だからだった。
その瞬間
光のような速さで貫く 炎の矢が飛んだ。
矢は消えた。
詩優の3メートル離れたところで
チリとなった。
瞬速で振り向いた
そして
弥夢は冷たい瞳で一点をみつめた
誰もが血の気が無くなる様な瞳で
矢を放った相手の瞳に向けて
相手は男だった。
男は心臓が凍りついた
時が止まったように
男に見えるのは白黒の景色と
紅い瞳の少女だけだった。
男は顔を真っ青にし、すぐに目をそらし去った
「・・・何がしたいんだ」
弥夢は静かに呟いた。
漆黒城から聞こえる声
クスクスと笑い声が聞こえた
【面白い子達がきたね・・・】
【僕の魔気に耐えらるかな。 】
・・・
【・・・その前に】
コッチニコレナイカモ
読んで下さってありがとうございます。
漆黒城の続きを書くと思います。
詩優の過去が少し分かると思います。
読んで下されば嬉しいです。