表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻術士  作者:
5/19

第5話 兎と雫雨華

詩優の心情を付けたしました。


読んでもらえれば嬉しいです。

森の中を2人の少女が歩いていた。


夜は明け 暖かい陽が射し始めていた。

 

昨夜は歩き続けていたが 村には辿り着かなかった。


なので 2人は持ってきた パンを食べ


大きな木の下で眠った。


まだ疲れは残っていたが 朝には充分に体力が回復していた。



「おはよー弥夢」


詩優は眠たそうな声で挨拶をした。


「おはようございます・・・」


振り向いて 軽く会釈をした。 





その後 弥夢は守術を使って 結界を張っていた。


目を瞑り 澄んだ声で呪文を唱えた。



「・・・我に闇の力を与えたまえ」



「魔を反射し 力を半減せよ 


霧と影で 壁を創り 包み 守れ・・・ 」


黒い影が詩優を包んだ





その頃 詩優は木陰で休んで 小鳥と兎と遊んでいた。


「ふさふさー もふもふですー」


「にくきゅー♪」 


「可愛いー///」


うさぎを膝にのせて 肩に小鳥をのせていた。


うさぎを撫でながら 幸せな時間を過ごしていた。




遠い昔を思い出すように・・・




弥夢は結界を張り終わった後 詩優を探していた。





詩優は眠っていた。


草の緑と花にまぎれながら





昨夜の 多数の光 光の樹 光の華


「・・・幻術の使いすぎ・・でしょうか」


弥夢は不安そうな表情した





不安と同時に 空は動く


雲は流れる



曇り空から 紅い夕日へと



迷いの想いを 断ち切るように






弥夢は 紅い瞳を空に向けた


「昨日みたいに もう 迷ったりしません。」



「・・・詩優様 昨日はありがとうございました。」


弥夢は深く頭を下げた。


風が吹き渡り 少女の短い黒髪が 風に揺れた



もう・・大丈夫です


あなたのくれた 光があるから 







<詩優>


・・・


ん・・ あれ ここどこ・・・?


なんか ふかふかしてる・・・


草の上にいたのに



よいしょっと・・


この部屋・・置かれている家具が少し小さめです。


可愛いお部屋だなー。




・・・



・・・どこだろ ここ?



とことこ とことこ


カチャ キイイ


  

「お休みになられましたか? 」


目の前に 服を着たうさぎさん


黒いスーツに黒いネクタイ


耳がピコピコしてて 可愛いです。


でもお喋りができるようですね  すごいです。



「森の中でお休みになられていたので


弥夢さんが宿を探していたところ、私が通りかかったものですから


私達の村へご案内させて頂きました。」




「あ そうなんですか! お世話になりました。


眠って疲れがとれました。」



うさぎさんは笑って


「それはよかったです!



あ えと 弥夢さんはこちらにいます。


弥夢さん心配していましたよ。」


ぴっこ ぴっこ ぴっこ


とことこ とことこ


うさぎさんについてゆくと・・・


そこには弥夢が 小さな木の椅子に座っていました。


「あの 詩優様 体調は・・・どうでしょうか?」


「眠ってすっきりしました。 ごめん弥夢。心配かけて・・・」



ぴっこ ぴっこ ぴっこ


「お2人様! お食事の準備ができましたので


どうぞ召し上がってください!」



「お食事・・・ですか?」



「はい! 幻術士様の旅の応援をしたいと言う事で


ご馳走を用意させて頂きました!」



「・・・迷惑ではないでしょうか?」


弥夢はおずおずと聞きました。



「いえいえ 大歓迎です!」





(・・・なんで こんなに優しくしてくれるんだろうね?)


私は小さな声で 弥夢に聞いてみた。



(確かに気になります・・・けれど その前に詩優様は 動物が話せることは


気にならないのでしょうか?)



そういえば そうですね・・・


(んーー。あんまり気にならないです。)



(そう・・・ですか)





弥夢は視線を うさぎさんに向け



「なぜ こんなに良くして貰えるのか、私には疑問です。


幻術士とは たくさんの人に祝福される立場では、無いと思います・・・。」




そう・・・。


弥夢の言う通りです。





「・・・何か事情か 頼み事があるのでしょうか」



うさぎさんに弥夢は聞きました。




うさぎさんは慌てました。



「私たちに出来ることがあったら何でもするよー。」



「・・・」


「ありがとうございます。」



うさぎさんは 少し間を空けて ペコっとお辞儀をされました。



「こちらです。」



キキキイイイイ 大きな扉が開かれました。


扉の向こうには 広い会場になっていて


大きなテーブルに数々のお食事。


その向こうには ぱたぱたとコック姿のうさぎさん達が


パンを焼いたり ケーキに飾りをつけたりしてました。



白いふさふさのうさぎさん 灰色がベースで白のラインが入っているうさぎさん


黒のふわふわうさぎさん  可愛いです。///


「どうぞ お座りになってください。」


私達は椅子に座って テーブルの上のお食事を頂きました。



熱々のマカロニグラタン 新鮮な野菜のサラダ まろやかな味のコーンポタージュ 


焼きたてのフランスパン サクサクのチョコクッキー 甘酸っぱいチェリーパイ


どれも美味しかったです! 


「ごちそうさまでした。」


「・・・ごちそうさまです。」



「あと これはお土産にどうぞ。」


うさぎさんは白い箱を渡してくれました。


「うさぎさん。ご親切にありがとう。」


「いいえ! 詩優さん 弥夢さん 頑張ってください。 」



「はい。頑張ります!」




うさぎさんに なにかお返しできないかな・・・



「うさぎさん。私にできる事ありませんか?」




思ったこと すぐに声に出してしまった。


言った後 後悔した。



私にできること・・・。


ないかもしれない



幻術士として生きることしか



・・・その使命しか 無いと思っていた。




ずっと みんなの役に立てなかったから


寂しかった。 怖かった。



みんなより頭の回転が遅くて


運動もできなくて


人見知りが激しくて


何をするにも不器用で 独りだった私




必要とされたかった。


誰でも良かった。


1人でも 私が役に立てる人がいる事を願った。



・・・でも




『・・・お前になにができるんだ?』






・・・あ




その通りだ わたしは・・・


無力・・・ですね




いろんな考えが頭の中を 渦を巻いて 



体が震えていた 目が熱くなって ひどく頭痛がした





この世界から 逃げだしたくなった




・・・







分かってる



分かってるんだ





こういう時は 息を吸って 真っ白に


すればいい。




役に立てるかよりも


役に立とうと努力することが大事



心の中で何度も繰り返す



結果よりも過程が大事



失敗することにも 学べることがある




うん ・・・大丈夫





そして 私は笑う


いつもの笑顔で




一瞬の空白は終わり


時は流れる






うさぎさんはびっくりしていました。



その後 少し考えて



「・・・いいのでしょうか」



よかった・・・です。




「・・・はい!喜んで。」





「・・・もし旅の途中に見かけたらでいいのですが。」



雫雨華レインローズの花をみたら


教えてもらえませんか?」



雫雨華 というと 神様の涙とも言われる伝説の 花だよね


たしか 花びらの色は 青紫で


小さい花・・・




「あの きれいな紫色の花ですね。」


「承知しました。」


「宜しく・・・お願いします。」






<弥夢>



花・・・




なぜあの兎は あの花を探しているのだろう


そんな事を考えながら 歩いていた。


兎桜チェリー村を出ようとするときに



白と黒のぶちの兎が通った。



その時 詩優様は凍りついた表情をしました。


「・・・どうかされましたか」




「・・・っ」



「やっぱり・・・そうなの?」



その時、兎は 姿を消した。



「・・・シェルア」



「・・・ごめん」


詩優様は戸惑いを隠せない表情だった。



あの兎は・・・何だったのだろう




―――――――――




・・・・僕の事覚えてるのかな


君と過ごした日々 幸せだったよ





君が探していたあの花 僕 探しているんだ


見つけてその花を育てて


一緒に花畑を作ろうって言ってくれたよね




でも


その約束も・・忘れてしまったかな







やっぱり 君の瞳はあの日から 変わっていないね


すごく懐かしかった



僕 あの花を探しに また 世界を渡るんだ


・・・あきらめないよ


旅の途中で会えたらいいな。











      

バイバイ  月那ルナ










ここまで読んでくださってありがとうございます!

今回の少し謎でした詩優と兎の関係は 少しあとに書く予定です。


次回は 新しいキャラが出ます。

宜しければ見てください。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ