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幻術士  作者:
3/19

第3話 悲しみの道

蒼風街の城の大きな外庭の舞台の上


大理石の階段を一歩一歩上りながら


少女・・詩優は歩いて来た。



長い茶色の髪を風になびかせ


黒いリボンで髪を結い



真っ白いシルクの服にに身を包み


白いミニスカートに黒いフリル


服に黒いリボンをまきつけ後ろでむすんでいる




白いショートブーツ 頭にシルバーのティアラ


真珠の首飾りと黒真珠のイヤリングを身に付け


指には銀色の細い指輪



澄んだ瞳に長いまつげ


彼女は一旦目を瞑り




再び目を開いた




彼女の前には七千人の観客


視線は彼女に集中していた。




軽く礼をして声を出した



凛とした声で想いを語った



緊張した様子は無かった


微笑んで語った




旅への意気込み




その言葉は人々の未来を安心させた



希望を与えてくれた




今 この一瞬 永遠に心に響くだろう










「緊張して、声震えちゃいました・・・」


詩優は深い息を吐いた。




「そんな事ないですよ!」 「とても素敵でした。」  


詩優を囲んでいる執事達は口をそろえて言った。



「ありがとうございます」


詩優は微笑んで言った。



そして詩優は、いつもの服装に着替えて


小さいリュックを背負った。



「詩優さん。弥夢みむさんがいらしゃった様です。」



「本当ですか!」


驚きと笑顔が混じった表情をした。




「・・・失礼します」


ドアが開いた。


そこには12、13歳くらいの少女がいた。


髪は黒 紅い瞳


着物のような服を着ていた。


少女は冷たい瞳をしていた。



「弥夢ーー」


詩優は抱きついた。


少女は戸惑いながらも、少し微笑んだ。


「・・・お久しぶりです。」


少女は詩優の前でしか笑わないのだった。



部屋に居た執事に詩優は挨拶をした。

弥夢みむは黙って、部屋を出るときに軽く会釈をした。


そして2人は話をしながら、歩いた。


詩優は執事に出会うと毎回



「今まで本当にありがとうございました。

これから弥夢みむと2人で頑張ります!」


と笑顔で挨拶したのだった。




玄関で弥夢みむ


「詩優様・・・優歌さまに挨拶はしないのですか?」



詩優は一瞬止まった



「お母様にはちょっと前に、あいさつしたの」


「ありがと。心配してくれて」


照れながら笑っていった。


いつもの笑顔で



弥夢みむだけは知っていた。



詩優と優歌の本当の関係を



「行こう弥夢みむ!」



手をひいて扉を開けた。


扉の向こうには、森が広がっている。


その森の中がこれからの進む道


目の前には森 すぐ後ろには自分の家



でも、もう始まっている旅


引き返す事はできない


帰る事の無い故郷



もう振り返る事は1度もなかった



人々の期待と未来を背負って



ただ前だけを見つめて





ヒュンツ




ザツ




詩優に目掛けて飛ぶ矢





それを平然にとる少女



2人はもう少女ではない






1人は命を懸け守る 護衛守術士




もう1人は 魔法を越えた術を使いこなす 幻術士




「・・・剣でも槍でも降らせばいい。・・・全て無駄です。」



「闘いは好きではありません・・・話し合う事・・・できませんか?」




2人は知っていて、この道を選択したのだ



悲しみに満ちている道を




ガガガガツツツツ   ダンツ




詩優が考える世界よりも 世界は厳しく冷たかった


  


けれど構わない





その世界を変える為にここにいるのだから









いつもより長くなってしまいました。

ここまで読んで下さってありがとうございます。


次回は弥夢視点で書きたいと思ってます。

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