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幻術士  作者:
12/19

第12話 月那と優歌

『・・・お前の相手は優歌という女だ。』


負けたらお前は人として生きられない。


だから死ぬ気で勝て。


街長になるには人より優れていないといけない。


蒼風街の立派な街長になるために


死ぬ気で努力しろ。



――物覚えつく前から ずっと言われていた言葉――



あの人に言われ続けた言葉・・・


あの人は私の専属教師だと言った。


とても厳しくて 恐い人だった。




その人から 私の両親は別の街の街長だって聞いた。


立派に働いているって言っていた。


両親の写真も 記憶も 思い出も無い私は


理想と想像で両親を信じて


両親に会える日を信じ生きていた。



そう 私には



家族なんていなかった。


友達なんていなかった。 


毎日毎日何かに追われていた。



武道 魔法 剣術 礼儀作法 歌 劇 調理 裁縫  


弦楽器 ピアノ 習字 バレエ スポーツ 外国語 


 



・・・


数え切れない数


もっとたくさんの習い事を毎日習っていた。



休みなんて無かった。



休める場所も無かった。



いつも誰かに監視され生きてきた。



不器用で なにも上手には出来なかった。


だから必死で努力した。



体がおかしくなっても


頭がおかしくなっっても


心がおかしくなっても



意味のある事だと 信じて疑わなかった。


ただ、負けないために


あの人に勝つために


それだけのために 死ぬ気で努力した。



・・・


それが全て無駄になった日


捨てられた日


私がモノになった日



その時に私の専属教師が


私の本当の父だと知った。




そして私の対戦相手―優歌―の専属教師が


私の本当の母だと知った。





でも その日から私はモノとなったから


私は生まれたときから 死ぬまで両親はいない。


両親として会った事が無い。





生まれた時から両親は専属教師で


両親と気付いた時には


私はモノだったから、両親はあかの他人になっていた。







唯一の希望さえ消えた。



いや



もともと光なんて無かったんだ







私の両親は、ただ値定めしていたんだ。




どちらが優秀か?



どちらが容姿端麗か?



どちらが強いか?



私は負けて 優歌が街長になった。





街長候補だった者がいると 住民の勢力が分かれやすい。


住民を従わせるには



誰よりも賢く



誰よりも美しく



誰よりも強い




たった1人・・がいればいい。



街長候補――厳しい訓練を受けた者



つまり私 朝倉月那が


邪魔だった。



だから私を捨てた。



寒い冬の雪の中に。








モノになってから聞いたんだ。



私の対戦相手の氏名



――朝倉・・優歌――は









私の6歳年上の 血の繋がった姉 ということを


























読んで下さってありがとうございます。

次は詩優と月那の関係を書こうと思います。

宜しければ読んでください。

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