第1話 始まりの風
・・・私は彼女を守ろうと思った。
彼女は苦しくても笑っていたから
純粋でひたむきだったから
誰よりも優しかったから
神から告げられた 宿命だとしても 運命だとしても
絶対死なせない 私の全てを懸けて
―――
今、私は屋上にいます。屋上といっても私の家の屋上です。
爽やかに吹き渡る風が とっても気持ち良いです。
――――
白い大理石の床のうえに1人の少女が立っていた。
少女の髪は薄い茶色で長さは腰まである。
歳は15,6才で瞳は薄い青 頭には、暗い赤のカチューシャをしていた。
同色のワンピース(黒いフリルがついている)の下に
白いキャミソールを着ていた。
高級そうな布の質感 大理石の床などをみて
この少女はお金に何不自由しない家庭で育ったようにみえる。
でも彼女の目は 金や物に依存した目でなく、
厳しさや、困難を乗り越えてきた 深く綺麗な瞳だった。
「そろそろだよね・・」
少女は拳をにぎる。
「緊張も不安もあるけど・・」
「後悔だけはしてないよ」
「・・・君との約束 絶対守るよ」
屋上での最後の風が吹いた。
・・・うん。大丈夫。
最初で最後の私の旅が 始まろうとしていた。
・・・
頑なな決心 欠けることなく
あり続けるだろう
約束したあの日から
沈む道も 迷い無く 進むだろう
使命を果たすその日まで
読んで下さってありがとうございます。
感謝感激です。