憂鬱な憂鬱
「キーンコーンカーンコーン」休み時間を告げるチャイムが鳴る。この音で今まで眠たかった授業から一気に解き放たれ睡魔が飛んでゆく。いつからかだっただろうか勉強にやる気がなくなったのは。中学を卒業し特に目標もないからと、とりあえず入った進学校そこでは中の時よりも勉強が楽しかった。
否ーーそんな感情は一瞬で消えた。気がつけば授業中居眠りをする。やる気が起きない。憂鬱になる。きっとこの感情は目標が決まらい我ゆえの一種の病気なのだろう目標がないから勉強をする気がない。ゴールが見えないから勉強にやる気がない。
「今何時間目だっけ?」
「今から終礼だろ」
突然後ろから声がした自問自答をするはずの流れが崩れコミュニケーション能力が少し劣る自分は素っ気ない対応しか出来なかった。
「放課後どうする?」
後ろの青年相川 優也〖あいかわ ゆうや 〗は俺のクラスメイトでかなりのスクールカーストが高く周りからの人望も熱い、そして何より持ってる人間だった。
こいつは国立大学への入学もほとんど決定していて将来は親の大きな医療病院のあとを次ぐらしい。
対する俺 彩都 遥兎〖さいと はると 〗はその真逆といってもいい。俺は将来ニートへの道に限っては将来有望と言われていて俺もある意味社会に抗う才能を持っている。
「お前は何するんだよ」
そんな相手と自分を比べながらも話を進めていく。
「俺はサッカー部の練習がある」
「そっかぁ、部活入ってたなそういえば」
「ハルトお前も何か入ったらどうだ?そのやる気ななさそうな目や顔にちょっとは光がともされるんじゃないか?」
さりげなくからかってくる上位カーストのコミュニケーション能力に押されながらも必死で会話を続けようとする。
「余計なお世話だよ。だいたい俺の目と顔が死んでるのは生まれつきなんだよ」
反撃するように8割のs冗談と2割のホントを混ぜながら順調に会話を進めていく。
「それはそれでどうかと思うが......。じゃあどんな条件だったら部活に入ろうと思ったりする?」
「そうだなー、休みは自由で好きなことが出来てだけどその中に少しのやりがいがあるような部活だったら考えないこともないかな。」
「お前、それもう部活じゃねぇーよ」
そんなくだらない会話をしているうちに終礼の終わりを告げるチャイムがなりクラス内の生徒がいっせいに席から立つ。
「さぁ、俺も早く帰ってゲームイベントの続きでもやろうかな。」
いつもどうりのことを考えながら3階にある教室からゆっくり階段を降りていく。
その道中ちょっと変わったポスターがあった白の紙と黒のペンだけで書かれた部員募集と書かれたものはeスポーツ部と書いてあった。その時そのポスターはなんの特徴も無かった子供でも考えるようなレイアウトだけどその中に自分が探していた魅力的な部活だと思った。
「カツ、カツ」一定のリズムで聞こえてくるこれは誰かの足音その主は教師だった。
「またこんなポスター貼り付けたのか。いい加減指導した方がいいな。」
その教師は愚痴を言いながらさっき見た白黒のポスターを剥がしていく。
「ダメーー」
不意に後ろにある階段の方か女子生徒の声が聞こえた。
その声の主は彩月 カンナ〖さつき かんな 〗今どきでは珍しい金髪に白を混ぜたような薄い金色の髪をしたハーフの女子生徒だったその生徒はとても有名で成績はいつもトップおまけに学校では上位を争う美人の1人ついたあだ名は「白金の女王」俺が羨む持っている者の1人だ。
「先生ー、なんで部活のポスター剥がすんですか?」
「こんな者部活とは認められん第一に部員がお前1人なんて言語道断。それより忘れてないだろうな?来月までに部員を3人以上にしておかなければそのなんだ、そのスポーツは廃部だからな。」
「eスポーツですよ。顧問ぐらいやってくれたいいじゃないですか」
「良くない。こっちだって暇なわけじゃないんだ。そういうことだから忘れるなよ。」
「はい」
その時の最後の返事は今まで流してきた回答とは違い本気だった。
「あれ?君......もしかしてさっきの会話聞かれてた、よね?」
突然こっちに振られて挙動不審になる中精一杯の返答をした。
「えっとー、まあそうですね。」
「あははぁ、ちょっと情けなかったなー。」
その顔は何かを我慢しているようだった。なにか言いたいはずなのに言い出せない、吐き出せないそんな顔をしていた。だから話を進めていく事にした。言いたいのに言えない 、言わないこともの辛さは自分でもわかってる。
「さっきの話ってなんですか?」
「え?なんで君がそんなこと聞いてくるの?」
当たり前の疑問それはそうだろう初対面の人にいきなりさっきの話は何度と聞かれれば妥当な回答だ。
「何じゃモヤモヤしてるように見えたので少し聞いてあげようかなと。」
「う、うん。あ、ありがとね」
やっぱり怪しまれたそれもそうだろういきなりあんなこといえばそれはこうなる。
彩月さんは若干引いた様子で自分を伺っていた。