青春
君が消えたあの季節 重苦しい雰囲気が蔓延
隠したあの日の恋心 甘ったるい匂いが停滞
裏切った君との日々 疎外感に苛まれた現実
贋作だった恋と友情 今更救助衝動など不要
四月の淡い桜雨の内側の先で
水色に揺れた貴方の声を知る
五月の滲む緑と紫の混ざりで
恍惚で強烈なリピドーを知る
六月の湿った校庭の中央地で
夏服が張り付く中劣情を知る
七月の抑え込んだ思いの奥で
正義と悪と傍観者の差を知る
遠い昔君と帰った通学路 陰る夕日に心を揺られて
淋しくないと強がる外面 痛いなんて叫べる筈なく
風が吹き抜ける窓枠の内 本物の自身を今日も探し
瞳に映る貴方の仕草と彩 届かない事は既に解って
愛想的感覚に溺れた僕等 悪い事だと理解していた
八月の燦々と輝く太陽の裏で
想像異常に愚かな自分を知る
九月の掻い潜った空気の中で
一夜に幻想と理想と現を知る
十月の煌めいたお月様の下で
今頃稚拙な言葉の本心を知る
十一月の底冷えた地面の上で
君が腕を振り翳した儡を知る
迸る長い髪の視線の先には何があるの
愛を語る君が見えなくなった意味とは
幻覚に生かされ続けてる僕の愛は何処
別れの言葉を告げた君の最後の涙は何
馬鹿にするのもいい加減にするべきよ
十二月の曇った投稿欄の中で
粉雪に溶けた儚い未来を知る
一月の緩やかに鎮まる社会で
自身の全てが他人任せと知る
二月の肌寒い季節風の内側で
離れていく感情の脆さを知る
三月の明るく色づく心の内で
君が居ずとも朝は来ると知る
後悔の成り果ては少女 懺悔の成り果ては肉塊
背徳の成り果ては後悔 正義の成り果ては懺悔
抑えきれない抑えなければならない激昂
軌道エレベーターから見えた小さな星光
現実から目を逸した先に現れるのは結末
眠りに落ちるような速度で穢れてく正気
永遠という言葉など分からなかった稚拙
二度と逢えないかも知れないけれど
微笑みを見せ「直ぐに戻るさI love you」
さよならだけが人生なんて知ってた
噎せ返りつつ「また会おうねI need you」
いつの日かまた逢おうなんて夢物語
平和主義なんて偽る君が一番過激
抉らせ過ぎた自分自身の感情的愛想
無知という言葉では流せない倫理
愛も何もなかった日々に別れを告げ
嗚呼、素晴らしい青春よ