草相撲
5
草相撲。
ある植物の各自茎の丈夫なものを選ぶ。そしてV時に絡ませ、引っ張って切れなかったほうの勝ちという遊びだ。よく小さい子供たちが暇なとき、何もないとき遊ぶものだ。
小さい子供たちが知恵を振り絞って考えた遊び。かくゆうアキラも暇なときに友達と遊んだことがある。何が面白いかと言われれば分からない。でも面白いのだ。
「好きな花や植物の茎を使うことを女王である私が許可します。でも無駄には使ってはいけません。植物も大切な生命です」
花も草木も生命だ。遊びだからと言って無駄にはしてはいけない。でも子供にはよく分からない気持ちでもある。
子供は無邪気で難しいことは分からない。子供に分かるのは簡単なことだけだ。面白ければ遊びは成立する。
「準備ができたら勝負しましょう。みんな出てきて」
リリィがパンパンと手を叩くとポンポンと彼女以外の妖精が姿を現す。
「ポンポン出てきたな」
ワラワラと集まってくる妖精たち。どうやらアキラとヒロオという人間が珍しいのだろう。そして何故かベタベタと触ってくる。
観光名所にある石造でもこんなにベタベタと触らないと思う。
「妖精たちにとって人間てもの珍しいの?」
「そうじゃね」
まるで花に蝶がたくさん集まってきたかのようなワラワラである。
「はいはい、みんなも準備して」
流石は女王の声で妖精たちも散っていく。これから草相撲の綱もとい茎を準備をしなければならない。
相手は女王に花の国の妖精たち。こちらはアキラとヒロオだけ。よくよく考えると不利でしかない。
「どうする?」
「どうするってったて…勝てるように工夫するしかないだろ」
「どう工夫するの?」
「考えがある。草相撲の決め手は綱だしな」
ニカっと笑顔のヒロオ。今のアキラには何も思いつかないのでヒロオ任せである。
「おれのおじいちゃんの知恵に任せなさい」
「そこはおばあちゃんの知恵じゃないの?」
6
草相撲の準備ができた。
普通の草相撲ならただの花や植物の茎なんだろうが花の国での草相撲は違った。アキラは単純に何本かの茎を結んで勝負するのかと思った。だがヒロオは彼の斜め上の物を作り上げたのだ。
「本当にコレで良いの? 反則じゃない?」
「何を言っているんだ。ここは花の国だぞ。常識なんて蕾に包んでおけばいいさ」
2人が作った物は一言で表すならば草の紐なんかではなく、草の綱である。これで綱引きでもするのかと勘違いしそうである。
よく草の綱なんて作れたと思うが案外作れるものだ。何故なら花の国には普通以外の草木があるからである。なら簡単だ。
花の国で常識は花の蕾に包んでおけ。ヒロオの言う通りで花の女王リリィたちが用意したのも草の綱のようである。しかしヒロオとアキラが作ったのと比べると二重の意味で花がある。
どこかのテーマパークにでも寄付すれば立派なアーチになるだろう。それほどの出来なのだ。
「わあ綺麗」
「ありゃあこっちが作ったのよりぶっといぞ」
「こちらも準備できました。さっそく遊びましょう!!」
とてもニコニコ顔なリリィ。こちらは向こうの出来に呆然。
「いっちょ始めますかあ」
お互いが作った草の綱を引っ掛けて準備完了。
「じゃあ」
「せーの!!」
草相撲開始。




