14話 コトブキ、新たな目標に動き出す
「おはようマルス!今日は良い天気だね!」
「おう…おはようコトブキ…ウップ」
宴会から一夜明け、希望で胸を膨らませた俺を出迎えたマルスは…
「見事に二日酔いみたいね。」
「むしろあれだけ飲んだのにピンピンしてるお主の方が
おかしいんだ…オエップ」
ちなみに昨日用意したご飯とお酒は全部売り切れた。
多分今日は色んな所で死屍累々だとは思うがみんな楽しんだからね!
仕方ないね!
「俺は昔から二日酔いしない体質だからね、ほらほら治してあげるから
もうちょい我慢して。」
「ウプッ、すまんが頼む……お?おお!治った!!」
「はいそれじゃ大事な話をするよー。」
「ばっちこい!」
「昨日の話の続きなんだけど、俺はどっか良い場所探して家を建てようと
思うんだ、だからそれに必要な魔道具を見なきゃならない。
今んとこ必要なのは、転移、通信、結界、後は細々とした日用品かな?」
「ふむ、通信と日用品は一般的なのから高級品までギルドの金庫室や
倉庫にあるからそれを見れば良いとして、問題は転移と結界だな。
転移魔方陣や転移の魔道具と言ったものはほぼ国が緊急用に管理していて
一般人は見ることが出来んのだ、国以外が持っていたとしても
公爵や侯爵と言った国の重鎮になるからあまり変わらんしな。」
「そうかぁ、転移で忍び込むってのは?」
「まず不可能だな、転移魔方陣のある部屋は特殊な結界で守られていて
許可のない外部からの侵入は全てブロックされるらしい。
魔道具の保管庫も同じようなもんだからな。」
「むぅ…んじゃ結界は?」
「結界はだな、一般的な小さな結界を作り出す魔道具は、高いが普通に
手に入るんだ、だが家一軒以上を包み込むものとなると…
やはり国家機密になっていて情報の閲覧や魔道具本体を見たりは
難しいな。」
「えぇ~、じゃあほとんど手詰まりじゃないですかやだー!」
「だからワシは笑い話として話したんだろうが。」
「ん~、転移魔法も結界魔法も使えるし、場所だけ探してこっちで
家建ててからアイテムボックスに収納。現地に持って行って設置と
付与魔法で何とかなんないかなぁ?
でもそれだと一々マルスやエレナを迎えに行ったりしないといけなく
なるけど~…必要経費かなぁ…」
「無理だな、四六時中家に居て結界魔法発動し続けるなら
MPさえあれば出来ん事もないが、付与魔法の継続限界は精々1時間。
現実的じゃないな。
つかお主、結界魔法や付与魔法まで使えたの?
あとお主のアイテムボックスそんなバカげた容量なの?
あれぇ?ワシ頭痛くなってきたぁ、二日酔い再発かなぁ?」
「治してあげようか?ちなみにやってみたら出来たんだよねぇ。
ついでに言えば全属性の魔法覚えたらスキルが統合されて魔法になった!」
「ぬわぁぁんもぉ頭いたぁい!もうお家帰るぅ!」
「落ち着きなさいマルス、ここがあなたのお家ですよ?」ニッコリ
「もう…コトブキの事で驚かないって…決めたのに…ウグゥ
(大体魔法ってなんだよ魔法って…そんなん伝説の中にしか
出てこないんじゃないのか?なんでそんな伝説が普通にこんなとこに
居るんだよ…)」ブツブツ
「はいはいマルス~帰ってこようねー、それで?仮に転移の魔道具とかの
閲覧許可を出すとしたら、誰が出せるの?」
「ぐぬぅ、出せるとするならば宰相様以上だな、つまりは王族か宰相様、
最終的に許可を出すのは国王様なので、突き詰めれば国王様になるな。」
「ふむ、んじゃマルス!国王様からお仕事もらって来て!
報酬は転移と結界の魔道具の閲覧許可ね!」
「・・・は?」
「閲覧許可ね!!やったねマルス!初仕事は国王様だよ!」
「おいバカやめろ!無茶言うな!どうやって謁見しろというんだ!」
「それは分からん!でも王様ともなれば日々の重圧でどこかしら体に
ガタが来てると思うし、会えれば何とかなるんじゃない?
もし健康体なら~…王様の周りとか、王様の王様さんをBIGに
してみませんか?とか…だめかな?
エクスポーションでも病気は治らないんだしなんかネタはあるでしょ!
あ、でも毒みたいな外的要因から来る病気はすぐには治せないし、
抵抗力上げるか体外への排出を促すか位しか出来ないから気を付けてね!」
「ぬぅ、毒は毒消し薬があるし国王様は常に状態異常耐性の魔道具を
身に着けておいでだからそっちに需要は無いだろうな。
だが待てよ…国王様はまだ即位して数年とはいえ未だにお世継ぎを
授かられてはいない。こればっかりは授かりものだからとは思うが…
よし、他に当ても無いしな、その線で探りを入れてみるか。。
あ~しかしこれは慎重に慎重を重ねないと簡単に首が飛ぶぞ…ハァ」
「さっすがマルス!頼りになるぅ!万が一ヤバくなったら
ちゃんと助けるから!ちなみに国王様の髪の毛は?」
「フサフサだ。あ、でも宰相様はほぼ無いな。そっちにも当たってみるか?
流石に国王様にいきなり変な話持って行くよりはまだましだろう。」
「お、じゃあそれで!マルスっていう実体験者が居るのも信頼性高くて
良いよね!」
「分かった、何とかしてみよう。だが流石にすぐには無理だぞ?
こういうのは軽い噂を流したり下準備が必要になるからな。」
「ん~まぁ仕方ないね、んじゃ一つマルスにお願いがあるんだけど?」
「やれやれ、言うだけ言ってみろ。」
「俺ペットが欲しいんだ!取りあえず小さいモフモフなやつ!
家が出来てから捕まえようと思ってたけど、もう我慢できないんだ!
ここで飼って良い?!世話は自分でするからさぁ!」
「あーそれはぁ~、ワシの一存じゃ決めれんからマリージアにお伺いを
立ててくれるか?マリージアが良いならワシは構わんぞ。」
「やった!ありがとうマルス!それじゃ早速マリーさんにお伺いを
立ててくるよ!!」
そう言うやいなや俺はマルスの部屋を出て行ったのだった。
「はぁ、慌ただしい朝だったなぁ…早いとこギルド行ってエレナに丸投げ
しよ…あーあ、ゴールドスライムボディで最強クッション計画は
しばらく延期かなぁ。。。」
その後話を聞いたエレナは盛大な溜息と共に昨日ゲットしたお菓子を
食べて気持ちを落ち着けるのだった。
「何これ美味しぃ!あ~、いくら食べても太らないなんて最高~♪
今回のご褒美はまたお菓子にしてもらいましょう♪」
むしろテンションが上がったのだった。
「そんなに美味いの?エレナ、ワシにも一口k「ダメです」ケチ!」
商人ギルドは今日も平和です。
~~~~~~
所変わってマリージアの所に来たコトブキは…
「マリーさんおはようございます!」
「あらあら~コトブキ君おはようございます~♪
どうしたの~?やけに嬉しそうだけど~?」ニコニコ
「いや実はマリーさんにお願いがあって来たんです。
俺今猛烈にちっちゃくてモフモフなペットが欲しくてですね、
もう我慢できなくなってきたんでこの家で飼っちゃダメかなと…
当然世話は自分でしますんで!おねがいします!」
「そうね~、ちなみにそのちっちゃくてモフモフなペットは~、
私にもなでなでさせてもらえるのかしら~?」
「その子の性格次第な所はありますが、マリーさんならどんな性格の子でも
大丈夫でしょう!是非モフってあげてください!」
「それなら許可せざるを得ないわね~♪良いわよ~♪」
「やった!ありがとうございますマリーさん!
早速捕まえに行ってきますね!!」
「は~い、行ってらっしゃ~い♪
…でも捕まえるの?買いに行くのではなくて?」
「えぇ、実はもう目星は付けてまして!サクッと行ける所なんで
心配しないでください!」
「そうなの~?わかったわ~、楽しみにしてるわね~♪」
「いってきま~す!」
そう言って家を出た俺はサクッと1200km程離れた絶海の孤島に
転移したのだった。
閲覧、ブクマ、評価、とても嬉しいです!ありがとうございます!
誤字脱字なんかあれば教えて頂ければ幸いです!
今回は意外とサクッと書けたので早速投稿しました^^
次回はモフモフをゲットする予定ですがその後はどうしようかなぁ・・・




