10話 勢いでカミングアウト
切りの良い所まで書いたら少し短くなってしまいました。
屯所を出た時にはもう日が暮れそうになっていたので俺達はギルドに
戻ることにした。
「おーいマルス、ただいまー。」
「お、戻ったかコトブキ、仕事も終わったしもう良い時間だ、そろそろ
家に行くとしようか。」
「そうしてもらえると有り難いかな、流石に今日は疲れたよ。
ついでにこれからの大筋の目標なり計画なり建てようか。」
「うむ、そうだな!と言っても客の候補には事欠かんからなぁ、
問題はどんな基準で客を選ぶかになるだろうな。なんとも贅沢な話よ。」
「秘密を守ってくれて強引な事はしてこない、ある意味賢い人が良いかな。」
「かぁ~!商人にあるまじき贅沢よなぁ!まぁコトブキの場合仕方のない
部分もあるし、それが許される能力ではあるんだけどな。」
「嫌な相手だとうっかりツルツルにしちゃうかもしれないしね!」
「ツルツル…ひぃぃぃ…」ガクガクブルブル
「マスター、戻ってきてください。コトブキ様、わたくしの方でも
良い方がいらっしゃいましたらご紹介させて頂いても
よろしいでしょうか?」
「もちろんだよエレナ!エレナの能力を信用してるからね!」
「ありがとうございます。」(信用…信用…ウフフ)
「大筋の目標は取りあえず一発デカい仕事でもして当面の資金を手に入れ、
拠点となる家を買ったりペットを飼ったりメイドさん雇ったり、
生活の基盤を整えたいかな!モフモフとプルプルを手に入れるんだ!!」
「お、おう、拠点を作るのは良いだろうな。王都で家を買うとなれば
それなりの値段はするが、まぁ問題ないだろう。規模としてはどの位
を考えてるんだ?」
「ん~あんまり部屋数多くても掃除とかめんどくさそうだから5~6部屋
もあれば十分かなぁ?その代わり庭は広めが良いな、後は風呂は広々
としたのが欲しい!トイレは二つ!場所は転移出来るしどこでも良いよ!」
「「は?」」
「え?どしたの二人して?俺そんなに有り得ない贅沢言っちゃった?」
「いやコトブキそこじゃない。お主今なんと言った?転移が出来ると
聞こえた気がしてな。」
「え?出来るよ?」
「お主…そんな高価な魔道具持っとったのか…王都にも国が持ってる物
以外ほぼ無いんだぞ?その意味がわかるか?」
「ん?そんな魔道具持ってないけど?」
「じゃあどうやって転移なんてするんだ!転移出来るレベルで
空間魔法が使えるって言うのか!?冗談も大概にせい!」
「…使えるんだけど…ダメだった?」
「「・・・」」
「あの…お二人さん?」
「ワシ、コトブキ使って国を作るなり裏から支配するなり、そんな案が
10は出てくるぞ。。」
「マスター、私眩暈がしてきました…今分かっているだけでもコトブキ様は
肉体を弄れて、様々なものを召喚出来、更には転移が出来るレベルで
空間魔法も使う。正に規格外です。。。あとメイドに立候補します。」
「落ち着けエレナァ!お前がメイドになったらワシ忙しさで死んじゃう!
後コトブキは風と水の魔法も使うぞ!」
勢いでカミングアウトしてみたが混乱させてしまったな…ちなみに転移
出来るレベルの空間魔法使いってどん位要るんだ?
・・・八人か、この国じゃなく世界で八人だった。俺九人目。
うち三人は隠遁生活してるようで名が知れているのは五人だけ、この国には
宮廷魔導士長のみらしいよ?びっくりだね!
更に言えばアイテムボックス使える程度の空間魔法使いはぼちぼち居る模様。
「…ん?それならばワシを助けてくれたのは本当に偶然なのか?
転移が使えるならわざわざあんな所に転移する必要無いだろ?」
「え?ああそれは目に見える範囲で転移しながら移動してたら
争う声が聞こえたから見に行ったんだよ。」
あぶね、流石に知識の泉は教えられないからなぁ…
「なんとまぁ…ワシは本当に運が良かったのだな…後コトブキのMP量
が知りたくないレベルで気になる。」
「どっちだよ、まぁいっぱいあるって事で納得しといて!」
「お、おう。ワシ、もうコトブキの事で驚くのやめにするわ。。。」
「懸命なご判断ですマスター。私もそうします…」
「そうしてくれると俺も気が楽で良いね!」
「「はぁ…」」
二人の溜息でこの場の話し合いを終わらせた俺は一路マルスの家に
行くのであった。
その後マルスの家族を紹介してもらって大歓迎を受けた俺は、この世界の
ご飯が美味しかったことに一安心して眠りについた。
ここまでお読みいただきありがとうございます!
次回からは少し時間が飛んで初仕事辺りから書こうかなと思ってますが予定は未定です!




